...肉体的の困憊(こんぱい)のため病的になった想像力が彼の周囲にあらわした怪奇な幻像――それを彼は現実であると信じたのだ――によって孤独感をまぬがれた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...甚しく疲労困憊(こんぱい)してゐるにも拘らず...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...数世紀来必要上精力を消費してきて疲憊(ひはい)しつくし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジャン・ヴァルジャンは困憊(こんぱい)して家に帰ってきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この疲れは困憊(こんぱい)の疲れというわけではございません...
中里介山 「大菩薩峠」
...恐るべく困憊を極めた生活状態を...
夏目漱石 「「土」に就て」
...日(ひ)は懊惱(あうなう)と困憊(こんぱい)の裡(うち)に傾(かた)むいた...
夏目漱石 「門」
...家庭の風波に日となく夜(よ)となく彼を困憊(こんぱい)起つあたわざるに至らしむるを得ればなりと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...疲勞し困憊(ぱい)し幻惑する...
萩原朔太郎 「青猫」
...極度の疲労困憊(こんぱい)は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...秋の眩輝(ぐれあ)に犯されて、困憊の、ざざといふ風や光や、その微かな参差の奥に人を喚んでゐる、あはれ黒松属であらう...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...誰もが垢まみれで疲労困憊(こんぱい)だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...そういう困憊(こんぱい)もこれでおしまいであろう――昨夜はそうも考えた...
本庄陸男 「石狩川」
...畜生も最早可成りに困憊の泡を吹いてゐると見えて...
牧野信一 「剥製」
...その残りは疲労と飢餓に困憊し...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...しかも困憊(こんぱい)しきっているのを感じた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...――もし支那商人の一団が困憊するなら...
横光利一 「上海」
...みなそれほどに困憊(こんぱい)しきって...
吉川英治 「私本太平記」
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