...晴れて暑い、行程六里、身心不調、疲労困憊、やうやくにして行橋の糀屋といふ木賃宿に泊つたが、こゝもよい宿だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...がさがさと憊(くたび)れた神経に刺さるような音を立て...
徳田秋声 「あらくれ」
...當時の困憊した經濟事情からただ利をもとめるやうなものもあつたらうし...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...引き歪んだ困憊しきった顏をして...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...そして疲憊しつくした彼の眼には...
豊島与志雄 「子を奪う」
...順造は心身の疲憊に圧倒されながら...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...困憊甚し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...雪を踏(ふ)んで家に帰れば身体すでに疲憊(ひはい)し...
新渡戸稲造 「自警録」
...……諸君はトランクに縛られた憐れなプロメテウスを想像してくださることができるだらうか?なほつづく飢餓と涸渇と疲勞と困憊の一時間……二時間……三時間……四時間……列車は暗黒の中を駈けて行く...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...疲労困憊して南ジョージア湾の捕鯨基地で死んだ...
久生十蘭 「南極記」
...すつかり困憊しつくしたカテリーナは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...歳晩の茶山の詩には絶て衰憊(すゐはい)の態が無かつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...このときを頂点として困憊(こんぱい)するものは支那商人に変っていくのだ...
横光利一 「上海」
...誰でも、現實にぶつかつてゐる逆境に對しては、息喘(いきぎ)れと、困憊を感じ、とてもやりきれないと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...玄徳軍の疲労困憊(こんぱい)を待っていたのである...
吉川英治 「三国志」
...おそらく彼らは百日のうちに飢餓困憊(きがこんぱい)をさまようしか道を知らないであろう...
吉川英治 「三国志」
...疲労困憊(ひろうこんぱい)のかたまりのような残軍を湊川まで引いて...
吉川英治 「私本太平記」
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