...さきに足利郡役所に被害民総代が召集されて仲裁を慫憊されたとき...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...甚しく疲労困憊(こんぱい)してゐるにも拘らず...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...極度の神経の疲憊と過度な労働とで...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...岩山の上り下り頗る困憊を極む...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...筋肉の機能次第に衰憊したると共に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...焦慮し疲憊(ひはい)しながら眼を覚まそうと欲した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...心身は疲憊(ひはい)し神経は荒立っていたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...汗(あせ)がびつしりと髮(かみ)の生際(はえぎは)を浸(ひた)して疲憊(ひはい)した身體(からだ)をおつぎは少時(しばし)惘然(ぼんやり)と庭(には)に立(た)てた...
長塚節 「土」
...精神の困憊(こんぱい)と...
夏目漱石 「それから」
...日(ひ)は懊惱(あうなう)と困憊(こんぱい)の裡(うち)に傾(かた)むいた...
夏目漱石 「門」
...勉強の監視人は丁抹(デンマーク)王シャルル九世の皇女ドグマール(ヴィクトリア女王の孫)だった母のマリア・フェオドロオウナそれ自身で、四六時中、ひとときも眼を離さぬような手きびしい躾を受けたうえ、父の武断的な練成が加わるというわけで、疲労困憊のすえ、脅えきってオドオドし、なにかやればかならずみじめな失策をした...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...一年半に及ぶこの不自由と困憊(こんぱい)にも耐えたのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...今はもう訓練者達の方も余程の困憊と焦躁にあふられて...
牧野信一 「創作生活にて」
...困憊(つかれ)きツた連中(れんぢう)ばかりで...
三島霜川 「平民の娘」
...追えば追うほど兎種々に走り躱(かく)れて犬ために身憊(つか)れ心乱れて少しも主命を用いず...
南方熊楠 「十二支考」
...炎天に赤帽の荷を担(にな)い歩み憊(つか)れて猴多き樹下に止まり...
南方熊楠 「十二支考」
...――もし支那商人の一団が困憊するなら...
横光利一 「上海」
...旅憊(りよはい)いまだ止まざるに...
吉川英治 「平の将門」
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