...どこかやり場のない退屈の結果といった緩漫な憂鬱さが感じられた...
田畑修一郎 「石ころ路」
...お籠(こも)りしてるんです」と彼は憂鬱さうに答へた...
田畑修一郎 「南方」
...彼がI―子の家で感ずるより以上の憂鬱さを感じた...
徳田秋聲 「草いきれ」
...答案調べの憂鬱さから救われた気がした...
豊島与志雄 「在学理由」
...そうした一種の諦めに似た憂鬱さに陥ってるところに...
豊島与志雄 「文学以前」
...憂鬱さうねえ」と女給が云ふ...
中原中也 「心理的と個性的」
...「うん」僕も憂鬱さうに応へるのだが...
原民喜 「飢ゑ」
...自分と一緒になつて笑はうともしない野村の憂鬱さうな姿に...
北條民雄 「青い焔」
...フイゴの筒のやうに憂鬱さうに口を突(とが)らせ...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...憂鬱さうな自分の姿などは単に滑稽に過ぎぬのかも知れないが...
牧野信一 「裸虫抄」
...その気分の憂鬱さは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...毎晩のように出る紙のように薄いローストビーフ責めの憂鬱さを...
三浦環 「お蝶夫人」
...自覚していた彼女自身の内心の遣(や)る瀬(せ)ない憂鬱さが...
夢野久作 「少女地獄」
...太古の憂鬱さと新鮮さとが身に滲み込んで来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...両家の今日の憂鬱さはひとしおふかい...
横光利一 「夜の靴」
...一抹の憂鬱さを沁み込ませて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...とやこうと気がねを組んで考える自分の憂鬱さが...
横光利一 「旅愁」
...どうしようもない憂鬱さだろう...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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