...外敵を憂えることをほとんど要しなかったような多年の歴史が国民にかような習性を形作るに至らしめたと見ることがおそらく正しいのであって...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...同情を有するものもまた同様の意見を抱いて憂えたのであった...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...正造はこれを聴いて「正当の手続きでない」と憂え...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...国を憂えている点では同じさ」「国を……?」と俺は言った...
高見順 「いやな感じ」
...俺は何を憂えているのだろうという疑問が来た...
高見順 「いやな感じ」
...幻庵は此の風習に禍根の存することを憂えて...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...未然の患を憂えて始めて殿下に書を奉る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...壁を穿(うが)って海を発見したように、土を掘って天を見出したように、お君というものに死なれて、そこから涯(はて)と底との知れない冷たい風が、習々(しゅうしゅう)として吹き出したのに、米友は、恐れ、あわて、おどろき、悲しみ、憂えて、名状すべからざる奇観におちいっているのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...国を憂えているという自身の心を証明するために...
宮本百合子 「一票の教訓」
...心中これがために憂え悶(もだ)えたことは...
森鴎外 「渋江抽斎」
...常吉はこの時父のために憂え...
森鴎外 「渋江抽斎」
...と憂えた朝野の声声の末端...
横光利一 「旅愁」
...何をもって、自分は彼に抗し得ようか」彼は、正直に憂えた...
吉川英治 「三国志」
...憂えども力及ばず...
吉川英治 「三国志」
...魏王宮中を大いに憂えさせた...
吉川英治 「三国志」
...内蔵助が、どう無反応な顔つきをしていても、彼は、それを揺さぶり起さずにはいないと信念しているように、烈々と、憂えを吐き、憤りを吐くのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...こうして家なきを憂えない...
吉川英治 「親鸞」
...しかもすぐあとで小勢に過ぎたことを憂え...
和辻哲郎 「鎖国」
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