...のみならずわたしの言葉にももの憂い返事をするだけだった...
芥川龍之介 「夢」
...目の縁(ふち)に憂いの雲をかけたような薄紫の暈(かさ)...
有島武郎 「或る女」
...眼には澄んだ憂いが湛えていた...
豊島与志雄 「楠の話」
...その九族に憂いのみ抱かすればのう...
正岡容 「小説 圓朝」
...「それ智慧多ければ憂い多し」と『伝道の書』には嘆じてある...
柳宗悦 「工藝の道」
...だから装飾の過剰になる憂いがない...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...「酔いしれる父に孕みて産みし子のその酒好きを憂い給うや」などと...
山之口貘 「酒友列伝」
...彼は駄駄をこねる度びにあのような憂いげな眼差しをよくした母を思い浮べながら...
横光利一 「旅愁」
...それを憂いて幾たびも...
吉川英治 「三国志」
...後図(こうと)の憂いにも万全を期し...
吉川英治 「三国志」
...彼は憂鬱を知らない男だし、玄徳はあまりに石橋をたたいて渡る主義で、憂いが多すぎる...
吉川英治 「三国志」
...実に当然な憂いであった...
吉川英治 「三国志」
...そういう方の憂いはまずなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...茶道に携(たずさ)わっているものの口から憂いられていたことでもある...
吉川英治 「新書太閤記」
...みな憂いていることだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのお使いなら、谷忠兵衛、ただちに、お旨(むね)をうけて、羽柴方へ交渉に参りましょう」一時は腹を立てたが、忠兵衛の言には、国を思い、主家を憂い、民を愛護する真実なものがある...
吉川英治 「新書太閤記」
...あらゆる思案も憂いも共にしてくれるお蕗という者がいるので...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...もう死骸が追いかけて来る憂いはなかったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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