...いくぶん憂いを帯びた口調であった...
梅崎春生 「狂い凧」
...再発の兆(きざし)で物憂いこともあったにちがいなかった...
「草藪」
...)語らざれば憂い無きに似たり...
太宰治 「虚構の春」
...時計までが時を刻むのに飽きて思い悩んでいるかに見えるあの長いもの憂い静かな宵を知り...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...眼には澄んだ憂いが湛えていた...
豊島与志雄 「楠の話」
...何かの憂いに堪ゆることができない...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝々暮々憂いありて楽あることなし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この物憂い世界はどんなことになるやら」「あとを引くでしょうね」「いや...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...物憂い昼間の仕事台に向っていたときの男とは別人のような元気と精力をもっているようにおもわれた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...「人はそれぞれ憂いを持って生きております...
横光利一 「旅愁」
...苦戦の憂いを顔にきざんでいたところだった...
吉川英治 「三国志」
...一叩き叩いて後の憂いを断ってきますから」と...
吉川英治 「三国志」
...全家の憂いをあげて...
吉川英治 「私本太平記」
...京都の上下は恟々(きょうきょう)と万一の憂いにおびえ出しており...
吉川英治 「私本太平記」
...後ろの憂いのないようにしていなければならない...
吉川英治 「新書太閤記」
...憂い気な弟や郎党たちを...
吉川英治 「平の将門」
...寺の者もよくいわないとみえて、戻って来ると、伊織の顔つきに、憂いが見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...やがて古えの憂いなき森の人がそぞろに恋しくなる...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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