...その目的は従来の英国のややもすれば武威を外国に振いて侵掠主義を実施することあるを憂い...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...つらいもの憂いもつらいもここはなぎさの一つ松ヨイトコ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ一回だけのチャンスでは取り逃す憂いがある...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...この物憂い筆をとっていると言えようか...
堀辰雄 「ほととぎす」
...「それ智慧多ければ憂い多し」と『伝道の書』には嘆じてある...
柳宗悦 「工藝の道」
...すすけた髪、疲労のかげの濃い頬、憂いを刻んだ眉、貧しい木綿物の衣服、大助は絶えずそっちへ眼をやりながら、胸が重くなるほど哀憐の情に駆られた...
山本周五郎 「新潮記」
...ノックがしたので久慈は戸を開けると珍しく千鶴子が憂いげな顔で立っていた...
横光利一 「旅愁」
...一ぺんに憂いを解いて華やいだ...
吉川英治 「私本太平記」
...そこまでのつきつめた憂いも...
吉川英治 「私本太平記」
...そういう方の憂いはまずなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...ひとりひとりが敵の三人に当れば足りる」「各に憂いはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...まったく自分の憂いとは反対なものであったので...
吉川英治 「新書太閤記」
...みな憂いていることだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いくらか憂いもかろく原稿紙に向えようかと思っている...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...憂いを面(おもて)にあらわして...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...あらかじめ又左などが憂いのひとつとしていた財力――出費の額は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...あらゆる思案も憂いも共にしてくれるお蕗という者がいるので...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...また愉快に感ずることがあるとケロリと憂いを忘れてしまう...
和辻哲郎 「孔子」
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