...そんな憂欝(ゆううつ)な顔をしていらっしゃるのね...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...anger はアイスランドのngr やLの angor などのような「憂苦」を意味する言葉と関係があるそうで...
寺田寅彦 「言葉の不思議」
...処で吾々はそのような主張又は杞憂を防ぐために...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...それは憂欝な表情のうちに溺れてしまい...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...憂欝な退屈な重みとなって私自身の心のうちに返ってきた...
豊島与志雄 「微笑」
...ある粗野な憂鬱の表情を浮かべていた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...無楽還(また)無憂...
中里介山 「大菩薩峠」
...丹脣常に微笑を湛へて嘗て憂を知らざるに似たり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...二歩調取れえ!お このおびただしい瞳孔(どうこう)埃の低迷する道路の上にかれらは憂鬱の日ざしをみるま白い幻像の市街をみる感情の暗く幽囚された...
萩原朔太郎 「青猫」
...僕は憂鬱になる...
原民喜 「鎮魂歌」
...劇しい憂鬱症(ヒポコンデリー)で...
久生十蘭 「金狼」
...前文にある「無憂樹ハ女人之レニ触レバ花始テ開ク」も蓋しこの意であろう...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...老公の側近から家中の正義の士がことごとく全滅の憂目を見るに知れきっているものを――晏如(あんじょ)として...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...先刻(さっき)からの憂いが深刻だっただけに...
吉川英治 「源頼朝」
...吉次には憂えられてならない...
吉川英治 「源頼朝」
...世事の憂(う)いこと醜(むさ)いこと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...寺の者もよくいわないとみえて、戻って来ると、伊織の顔つきに、憂いが見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この趨勢を心から憂えていたのは...
和辻哲郎 「鎖国」
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