...強慾で――いやその中でも取分け甚しいのは...
芥川龍之介 「地獄変」
...私慾を絶滅した完全なる個人と言ひ...
石川啄木 「所謂今度の事」
...旧自由党といい旧進歩党といい、ヘボ馬鹿めらのグツグツ争い、グツグツ喧嘩、ヘボ野心、ヘボ周旋、ヘボ才子、馬鹿運動」胸の鬱憤がようやくはけ口を見つけたように、正造の言葉は一語ごとに内心の激越をともなって吐き出されたが、どしりと頭を枕へ落すと、「名利、私慾、私曲、悪徳、狭隘、そんなものばかりで国家的観念など少しも見られない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...慾(よく)の無い人である...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ちりで飲む、話がはづんだ、――ルンペン、ポエム、人間、性慾、自然...
種田山頭火 「其中日記」
...虚栄と利慾の心に乏しく...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...あれだけの慾があるのはなんにしても感心なことだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...実は人間が自制心を失って我慾に征服されたです...
中里介山 「大菩薩峠」
...物慾が旺(さか)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お前さんは未だ生きていたいかい」と聞いて見る慾望をどうにも抑えきれなくなった...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...強慾なモール人に身の皮まで剥がれ...
久生十蘭 「海難記」
...「禁煙」「禁酒」「禁慾」「禁バクチ」「マゴコロ」「威張ルナ」「忍耐」――そんな字句が...
火野葦平 「花と龍」
...何かつまらないものに対するけちな慾望までが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...暑いときは塩の辛いものが案外食慾をすすめます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何と慾ばりでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...或いは主人公の無慾無邪気の反映とも...
柳田国男 「海上の道」
...大慾大罪の塔(とう)を積んでも同じ一生――」骨柄といい弁舌といい...
吉川英治 「親鸞」
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