...空虚なる名譽慾に囚はれて實質の問題に參する事を知らざる人生の外道である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...性邪悪(よこしま)にして慾深ければ...
巌谷小波 「こがね丸」
...我慾の強いものだと仰ゃるかも知れませんが...
太宰治 「女の決闘」
...頭おもく胸くるしく食慾すゝまず...
種田山頭火 「一草庵日記」
...無教育で薄情で利慾に飢(かつ)え...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...肉慾的な女だった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...性慾の衰退に可なり悩まされていた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...羞恥心などを超越した愛慾を知ったのである...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...そういう慾は、自由に買物の出来る君にはよく分るまい...
豊島与志雄 「慾」
...色と慾との両てんびんをかけて抜かりのねえがんりきの百なんですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...食慾と同じ位に強い本能だった...
中島敦 「光と風と夢」
...あまりに肉體(にくたい)と慾得(よくとく)を離(はな)れ過(す)ぎる樣(やう)になつた...
夏目漱石 「門」
...一つと見えたる長範が二つになってぞ失(う)せにけりと云うが、あんな烏金(からすがね)で身代(しんだい)をつくった向横丁(むこうよこちょう)の長範なんかは業(ごう)つく張りの、慾張り屋だから、いくつになっても失せる気遣(きづかい)はないぜ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...慾得ずくの話なら乗出さないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若い頃は骨身に沁みて金慾に目が暮れてゐたものだけれども...
林芙美子 「晩菊」
...主人の淫慾をそそるとは出来すぎたやつだ...
久生十蘭 「無月物語」
...慾と野心のかたまりだ...
三好十郎 「冒した者」
...いろいろ慾を考へずにさうきめた方が幸福だと思ふよ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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