...彼の場合はむろん利慾を伴っているけれども...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その慾求にかなふやうに...
薄田泣菫 「独楽園」
...貪慾(どんよく)...
太宰治 「女の決闘」
...されば河内介の畸形的(きけいてき)情慾は夫人に離れることを惜しむと共に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...情慾も何も起らんように麻痺(まひ)さしといて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...両手に海苔まきとゴマをまぶした握飯と二つとも慾ばつて持ち...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...愛慾の世界を荷ってる者とであった...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...唇にうかぶ唾液か接唇((くちづけ))を求める慾かともすればそのうたは杜切れたりする...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...慾に眼がくらんでしまうと...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それよりそう慾張(よくばら)ないで...
夏目漱石 「道草」
...大慾は無慾に似たりの失敗であつたから...
長谷川時雨 「煎藥」
...安部は最初の一日から食慾をなくしてしまった...
久生十蘭 「予言」
...そして業慾の貌がはつきりと窺はれる亭主が...
牧野信一 「るい」
...夫人はだるい疲れた食慾のない気持でいて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...奸佞(かんねい)暴慾な武士たちは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...眼のむさぼり、眼の食慾、眼のよろこび 眼から眼へ流れるものは無辺際(むへんさい)的なニュアンスと複雑さと簡明さをもっている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...わたしがどの意味でも慾張ったのではなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...目前の小さい骨惜しみや利慾にとらわれていたら...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??