...然るに世の多くの人々が、此美しい野をも山をも棄てゝ、宛(さな)がら「飛んで火に入る夏の虫」の如く、喧騒、雑踏、我慾、争乱の都会に走り来たるのは何故であらうか...
石川三四郎 「吾等の使命」
...吾人に知識の慾ありて眞理を悟らむことを欲し...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...彼女の食慾をそそるものは若鮎(わかあゆ)の塩焼だけであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人間ほど卑劣でない強慾でない...
種田山頭火 「其中日記」
...○食慾がなくなるのがさみしい...
種田山頭火 「其中日記」
...」「それは無論情慾のためでしょう...
豊島与志雄 「悪夢」
...死体の印象と食慾とは反比例するものだった...
豊島与志雄 「轢死人」
...汚辱(おじょく)も淫慾も皆これ人類活力の一現象ならずして何ぞ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...表面上性慾問題とは関係はなかった...
二葉亭四迷 「平凡」
...つまり仕事の上で慾張りなのだ...
堀辰雄 「(芥川龍之介の書翰に就いて)」
...終日沈黙を守つた仕事に疲れた饒舌慾を晴らすのである...
牧野信一 「山彦の街」
...慾斎氏はこれを Hemerocallis flava(羅)Geele Dagschoon(蘭)にあてているが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...我慾なる狭隘な原則は消滅するであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...貪慾な者蛇となって財を守るとは...
南方熊楠 「十二支考」
...慾(よく)ばりなお猫(ねこ)さんがありました...
村山籌子 「泣いてゐるお猫さん」
...より充実した……或るタマラナイ表現慾を満足させ得べき芸術……すなわち能を生み出すべく...
夢野久作 「能とは何か」
...百名は遺憾なく近来の慾をみたした...
吉川英治 「三国志」
...功名慾の自我のあらし...
吉川英治 「新書太閤記」
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