...慵(ものう)く夢のやうに聞えた...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...涎(よだれ)に濡らす慵(ものう)げさ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...慵鬟高髻緑婆娑(ようかんこうきつみどりばさ)早く蘭窓に向って碧荷(へきか)を繍(しゅう)す刺して鴛鴦(えんおう)に到って魂(たましい)断(た)たんと欲す暗に針綫(しんせん)を停(とど)めて双蛾を蹙(ひそ)むというのであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...どんよりとした慵(ものう)げな瞳を開けて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...慵(だる)い体を木蔭のベンチに腰かけて...
徳田秋声 「足迹」
...廊下で自分を呼んでいる朋輩(ほうばい)の慵(だる)い声がした...
徳田秋声 「足迹」
...ごとんごとんと云う慵(だる)い水車の音が...
徳田秋声 「あらくれ」
...慵(だる)い時のたつのを待っていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...街の雑音が地獄の底から来るように慵(ものう)く聞こえ...
徳田秋声 「仮装人物」
...この生活もやがて慵(ものう)くなって来た...
徳田秋声 「仮装人物」
...笹村はがらんとしたその楼(うち)の段梯子(だんばしご)を踏むのが慵(ものう)げであった...
徳田秋声 「黴」
...慵い日が庭の芝草を照らしてゐた...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...生きる慵さを時々感じてゐた...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...生きることに不思議な慵るさを感じた...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...何となく生きるのが慵く...
徳田秋聲 「佗しい放浪の旅」
...友人佐藤慵斎(ようさい)君の文集に載っている其(その)論に譲って...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...何も為(す)るのが慵(ものう)いと云うのとは違って...
夏目漱石 「それから」
...そうしてその倦怠の慵(ものう)い気分に支配されながら...
夏目漱石 「門」
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