...慵(ものう)く夢のやうに聞えた...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...涎(よだれ)に濡(ぬ)らす慵(ものう)げさ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...されどこのごろは筆を執るも慵(ものう)くてただおもひくづをれてのみくらす...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...病床の作者の自愛を祈るあまり慵斎(ようさい)主人...
太宰治 「虚構の春」
...ここは何処なの」女が慵(ものう)い声で訊くと...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ペルゴレーズ街の殺人事件」
...どんよりとした慵(ものう)げな瞳(ひとみ)を開けて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...どんよりとした慵(ものう)げな瞳を開けて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...主婦(あるじ)は今起きたばかりの慵(だる)い体をして...
徳田秋声 「足迹」
...一日苦使(こきつか)われて疲れた体(からだ)を慵(ものう)げに...
徳田秋声 「あらくれ」
...」彼女は慵(ものう)げな声で言つて...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...笹村はがらんとしたその楼(うち)の段梯子(だんばしご)を踏むのが慵(ものう)げであった...
徳田秋声 「黴」
...埃がもや/\見えるやうな慵い暮春の街筋に黄色い壁が直ぐ目にいた...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...生きる慵さを時々感じてゐた...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...両岸の春に酔つたやうな慵げなぬるま水を...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...慵(ものうげ)に揺れかかっている...
夏目漱石 「草枕」
...それに抵抗するのがいかにも慵(ものう)いと云ったような一種の倦怠(けた)るさが見えた...
夏目漱石 「行人」
...そうしてその倦怠の慵(ものう)い気分に支配されながら...
夏目漱石 「門」
...何だか世間が慵(もの)うく感ぜらるる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
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