...而しそれは自己の慴伏(しょうふく)によつて到達せらるゝのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...いくらそうでございませんと私が言っても感じがすこぶる滑らかになってどうも私がフガを堂々と慴伏(しゅうふく)せしめたような恰好にも見えてくるが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...後にはその勢威がをさ/\一国を震慴(しんせふ)させたといふことであつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...「何に慴えたの!」云ってしまって彼女はほっと息をした...
豊島与志雄 「月明」
...彼は不安に慴(おび)えながら夜通し彼女を捜した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夕立雲に木村さんはいささか慴えていました...
豊島与志雄 「食慾」
...彼は物に慴えたように立上った...
豊島与志雄 「月かげ」
...その様子には清まで笑い出したが然し彼女は内心ひどく慴えきっていた...
豊島与志雄 「白血球」
...彼は慴え縮こまって...
豊島与志雄 「未亡人」
...憂いや慴えはみな夜の惑わしだったのだ...
豊島与志雄 「未来の天才」
...何かに慴えたように肩を縮め...
豊島与志雄 「理想の女」
...ながめているのは慴(おび)えた群集であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼女は慴えたような眼つきで...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...いつもそんなことを言って人を慴伏(しょうふく)させるのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ感情が理智を慴伏する刹那にのみ詠嘆と祈祷はあり...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...信長の武威にも勿論慴伏(しょうふく)したが...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下の諸侯もみな慴伏(しょうふく)せぬはないが...
吉川英治 「新書太閤記」
...大地へ額(ひたい)をすりつけて慴伏(しょうふく)する...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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