...骨を異域の土に埋むるの遙(はるか)に慰む可きものあるを信ぜしなり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...やはり私の憂欝を慰むべく...
芥川龍之介 「蜜柑」
...せめて慰むという事もあろう...
有島武郎 「或る女」
......
内村鑑三 「楽しき生涯」
...希望を以て今の痛苦を慰むべきである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...御迷惑を及ぼす様なことを仕出来(しでか)す気遣いもあるまいではないか」侯爵は寧ろ自から慰むるが如く...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...輕傷なることを告げてメネラオス兄を慰む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...晩霞散じて暮烟紫に天地を罩(こ)むるや人家の燈影亦目を慰むるに足る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...他に嗜好のない私には妻の美貌といふことが私を慰むべき唯一の條件であるのです...
長塚節 「教師」
...ただこれを観て我が情を慰むるのみ...
福沢諭吉 「教育の目的」
...自己を慰むるために...
正岡子規 「俳人蕪村」
...少しは慰むだらうと思はれるやうな慾望が...
水野仙子 「脱殼」
...遊びに行くと誓った私はお屋敷の子の悲哀(かなしみ)を抱いて掟(おきて)られ縛(いまし)められわずかに過ぎし日を顧みて慰むのみである...
水上滝太郎 「山の手の子」
...げに彼は阿園を慰むるの務めをもちたりき...
宮崎湖処子 「空屋」
...いろいろ勝手な事を考えて自分で慰むより仕方がない...
宮本百合子 「草の根元」
...「身を投げん涙の川に沈みても恋しき瀬々に忘れしもせじどんな時が来れば少しでも心の慰むことが発見されるのだろう」と薫は言い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼たとひ一たびは襄が家学を継承せずして仕籍を脱したることを悲めりと雖も襄の名天下に高きに及んでは即ち亦其老心を慰むる所なきにあらざるべし...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...「ひとりで慰むのも...
吉川英治 「日本名婦伝」
便利!手書き漢字入力検索