...これは単に慰みばかりではない...
有島武郎 「或る女」
...お慰みにごらん遊ばせ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...こいつらの慰みものになるくらいなら死んだ方がましだ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...このごろのアサヒグラフの表紙裏に出ている二重写しのお慰みの当てものなどはいちばん罪が浅いほうであろう...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...何ひとつ慰みになるようなものもはいっていない...
久生十蘭 「キャラコさん」
...特に彼だけの慰みのために...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...全体我邦(わがくに)の家庭は主人一人の翫具や慰みのために多額の金を費(ついや)して家族一同のためには一銭二銭の買物さえ惜しがるという風(ふう)がある...
村井弦斎 「食道楽」
...われわれでさえ院をお思い出しするとお別れしたことは慰みようもない悲しみになるのですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恋人の姉であることにお慰みになるところも多かった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人生のはかなさなどを話し合ってみれば慰みになるでしょう」「見識のある方のお話などを伺っても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何か慰みになるやうな事があると...
ジユウル・クラルテエ Jules Clarete 森林太郎訳 「猿」
...わたしは〔旅に出ると〕むしろ他のあらゆる種類の慰みの方を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いいお慰みだわ」二人の口喧嘩にはもう正篤も慣れている...
山本周五郎 「桑の木物語」
...「慰みに遣るのなら...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...と、やがてまたそれを下へ垂らして、慰みのために、伸ばすために、手早にほぐし始めた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...お口にあいませぬが、お慰みにもと、少しばかり持って参りましたで」と、取次ぎを仰ぐ者もある...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...したが、近頃は、風月を友にして、余生をお送りあそばしているお体、何かにつけ、茶事に託してものを仰っしゃるのが癖なのでございまする」「ぜひがない」と、苦々(にがにが)しく、「では、いずれまた、再遊のせつには、ぜひともお目にかかると、お伝えください」と伝七郎が、芍薬(しゃくやく)の枝をつきもどすと、お通は、「あの、これは、道中のお慰みに、お駕なれば駕の端へ、馬なれば鞍のどこぞへでも挿して、お持ち帰り下さるようにと、大殿のおことばでございましたが」「なに、これを土産にだと」眼を落して、辱(はずかし)められでもしたように、憤(む)っと色をなして、「ば、ばかな...
吉川英治 「宮本武蔵」
...慰みにもなるで」「心得ました」「では...
吉川英治 「宮本武蔵」
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