...ほかの事ならばわが身の一部をさいても慰めてやらねばならないおはまだ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...留守宅慰問のこともある...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その労を慰める時は全店員を同じに慰めるべきである...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...まずしい慰問袋を作り...
太宰治 「鴎」
...愛のみが愛の痛手にたいする唯一の慰安である...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いろいろ光子を慰めてやってから...
豊島与志雄 「古井戸」
...その言葉の奧に優しく慰はる響があるので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼をかすかに慰めてゐた...
原民喜 「永遠のみどり」
...力と慰安と快楽の確保された資源となるのであらうと彼は喝破してゐる...
平田禿木 「趣味としての読書」
...本当にあまりといえばあんまりな……」私はそういう人々のおなじ繰り返しのような慰めの言葉はどうも無関心に聞き流しているよりしようがなかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...即ち病人の気を迎へて巧みに慰めてくれさへすれば...
正岡子規 「病牀六尺」
...おつ母さんを慰めましたら...
宮原晃一郎 「孝行鶉の話」
...どの人へも相手の心の慰むに足るような愛情を書き送っては返事を得る喜びにまた自身を慰めている源氏であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...君が折る峰のわらびと見ましかば知られやせまし春のしるしも雪深き汀(みぎは)の小芹(こぜり)誰(た)がために摘みかはやさん親無しにして二人はこんなことを言い合うことだけを慰めにして日を送っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それが兄を慰め二人の娘の相談相手になって...
柳田国男 「故郷七十年」
...船首に集まって手に手に爆竹を鳴らしながら二人の霊を慰めた...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...精神的な慰安とか...
吉川英治 「折々の記」
...御大儀」と、ふたりの肩をたたいてねぎらい、その部下たちは、馬を取って、内へ曳き入れ、また使者の袖や背の埃(ほこり)を払ってやるのもあるし、汗拭(あせふき)を与えて宥(いたわ)るもあるし、口々に、「お早いことで」「遠国から一息に、大変だったでしょう」「さあ、あれにて、湯なと召し上がれ」と、その労を慰めた...
吉川英治 「新書太閤記」
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