...ハークマは慥(たし)か倫敦(ロンドン)へ行っていて...
岩村透 「不吉の音と学士会院の鐘」
...それは慥かに見覚えのあるものであった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...さうして其子がおいよさんであることを慥めた...
長塚節 「隣室の客」
...慥かに何か曰くがありそうだなんて言っておりますのよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「闘戦勝仏」は「十三人」の一周年号の時、同人が皆んな揃つて書くと云ふのだつたが、私は慥か、夏で、田舎へかへり、海へばかり這入つて居て、何も書けなかつた...
牧野信一 「あやふやなこと」
...」「津軽屋へ出入候筑前船之便に而、津軽屋へ頼遣候へば、慥に届申候由、前年御書中に被仰下候大阪えびすじま筑前屋新兵衛とやら、慥には無之覚ゐ申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...先生の御愛顧を受ける値打は慥(たし)かにあります...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...美未納ちゃん!未納 (額を押えて)皺なんか慥(こしら)えてみせたって駄目よ...
森本薫 「華々しき一族」
...あさ子 此の間、慥えた人形ね...
森本薫 「みごとな女」
...慥(たし)かに、そのくらい大きな鮒の甘露煮なら五ひゃく程度は取られるかもしれない...
山本周五郎 「青べか物語」
...うちは慥か能登(のと)のほうだった...
山本周五郎 「青べか物語」
...人間のことだから、この気持が絶対なものだとはいえないが、いまは慥かだ...
山本周五郎 「さぶ」
...おなつは慥かにそれを聞いたように思って...
山本周五郎 「契りきぬ」
...あの人の意志を慥かめたか...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...慥(たし)かなのは人間が不幸や悲しみを背負っているということだ...
山本周五郎 「はたし状」
...慥かに甲野にいたかよに相違ありません」「しかし...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥かに、石倉の中に人がいて、その鼠を引き戻すようであった...
山本周五郎 「風流太平記」
...あの白服の山鹿十介は何処へ行ったのだ――)山鹿の別荘から出て来たのは慥(たしか)だけれど...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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