...土器押紋中には慥(たしか)に網の痕(あと)有るもの有り...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...其處には慥に人が立つて居ましたけれども其人は遁げたり隱れたりしようとは致しません...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...代助(だいすけ)は昨夕(ゆふべ)床(とこ)の中(なか)で慥かに此花の落ちる音(おと)を聞いた...
夏目漱石 「それから」
...唯(ただ)一つ慥(たしか)な事がある...
夏目漱石 「それから」
...恐らく余に取つて慥(たし)かなものだらうと考へる...
夏目漱石 「『煤煙』の序」
...紙か羊皮か慥(たし)かには見えぬが色合の古び具合から推すと昨今の物ではない...
夏目漱石 「幻影の盾」
...向うでわざわざ指名した訳なんです」健三は自分自身を慥なものと認めるには躊躇(ちゅうちょ)しなかった...
夏目漱石 「道草」
...慥に御方に候せる維久が...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...「チョイと茲処(ここ)へお出(い)で」ト云うは慥(たしか)に昇の声...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それが慥か処女作には違ひないのだが...
牧野信一 「あやふやなこと」
...夜の不慥な影の中に...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...ふざけているのでないことは慥からしい...
山本周五郎 「青べか物語」
...……慥かに預かったから」別れるときに初めて万兵衛はこう云った...
山本周五郎 「追いついた夢」
...三個とも無事であったことを慥(たし)かめるのにいそがしかったし...
山本周五郎 「季節のない街」
...塩鯖を焼いてたらどうにもたまらなくなったんだという」彼は効果を慥(たし)かめるようにばんくんの顔を見た...
山本周五郎 「季節のない街」
...私がすぐに慥かめよう」万三郎が云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...慥(しか)と覚えておるかの...
吉川英治 「大岡越前」
...慥(しか)と、明言したのは、池田勝入の家士竹村小平太だ...
吉川英治 「新書太閤記」
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