...慥かに死なゝいといふ自信があつた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...慥かに一応そうであるに相違ないだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...それは固より何時の頃の事であつたか慥に記憶もないけれど...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...積極的に大きな力を添えているのは慥(たし)かですから覚えていて下さい...
夏目漱石 「こころ」
...何の運動であるか慥(たし)かに解(わか)らなかった...
夏目漱石 「それから」
...又(また)何(ど)うにか心配(しんぱい)も出來(でき)やうし又(また)して呉(く)れるだらう位(ぐらゐ)の不慥(ふたしか)な希望(きばう)を殘(のこ)して...
夏目漱石 「門」
...よろしう御座(ござ)んす慥(たし)かに受合(うけあ)ひました...
一葉女史 「大つごもり」
...広重は慥(たしか)にこの二カ条に目をつけてかつ成功して居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...先生の御愛顧を受ける値打は慥(たし)かにあります...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...詳しく書いてあるのを慥かめた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...慥かにこれはおろかしい光景である...
山本周五郎 「桑の木物語」
...なんの理由もなく三人で踏んだり蹴ったりしました」「理由がないこと慥かですの」「もちろん」と得石は口ごもった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...脛がすっかり麻痺していたことも慥かだったろう...
山本周五郎 「さぶ」
...……慥(たし)かに...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...江戸から来たことは慥かだと思うんだ」「娘さんは一人で来たのか」「いんや...
山本周五郎 「風流太平記」
...……それでいて気は慥(たし)かである...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは慥(たし)かに城太郎が先頃から身を託している奈良井の大蔵に違いないからである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あの口は慥(たしか)にこの世のものではありません...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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