...住み慣れたものには捨て難い蠱惑だ...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...親み慣れた藥の香を吸うて...
石川啄木 「二筋の血」
...我々日本人が未だ歐羅巴的の社會生活に慣れ切つてゐないといふ點にばかり原因してはゐない...
石川啄木 「我が最近の興味」
...紙草にものを書くということは、まことに容易ならぬ苦労であって、慣れない私は、三行に一本くらいずつの割合で、ペンを潰してしまうのですが、ロゼリイスは約束のように私の傍に坐って、せっせと鵞ペンを削っていてくれるのです...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...いつの間にか慣れて来ました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それは誰だ」「見慣れない旅のお方でございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...慣れ親しんだのんきさが彼等の気分を支配することとなるのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...少しは物慣れた処もあったろうが...
二葉亭四迷 「平凡」
...すなわち「世慣れたしっかり者」といった方も...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...大抵慣れたつもりなんだが...
牧野信一 「環魚洞風景」
...少し慣れるとその匂い塩梅(あんばい)で出来加減が分りますが匂いがしてまた二...
村井弦斎 「食道楽」
...三度試験してよく覚えなければいけません」玉江嬢「あれがなかなか慣れないと面倒で私も最初の内は手が痛くなって困りました...
村井弦斎 「食道楽」
...まったく慣れた男にとっては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...恐怖に慣れたせいか...
夢野久作 「死後の恋」
...こんな不慣れな社交の真似をして歩くのも...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...不思議な彫刻をもつモノリスに縁取られた広い小径に沿って奇怪で見慣れぬ種類の植生が頭を垂れていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...ちょっくらと慣れそうもねえ」と言った...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...昔ながらの山野と矮屋(わいおく)とを見慣れた我々の祖先が...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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