...彼の最後の慟哭(どうこく)はクリストの最後の慟哭のやうにいつも我々を動かすのである...
芥川龍之介 「西方の人」
...俺の心は慟哭せむが爲に鏡に向ふ累(かさね)である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...余の死を慟哭す可き彼等の悲哀を憐む...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...軌道の発見せられていない彗星(すいせい)の行方(ゆくえ)のような己れの行路に慟哭(どうこく)する迷いの深みに落ちていくのである...
有島武郎 「二つの道」
...ある時は慟哭し、また或る時には我とわが髪を引きむしって気違いのように救いを求めたりしていたが、結局は静かに冷然として死のうという考えが、彼の胸に起こって来た...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...而して、其勇悍強暴なる性質は、如何に此神の行為に現われしやと云うに、啼泣慟哭に於て、現われしと云点に於て、諸説一致す...
高木敏雄 「比較神話学」
...慟哭もわるくないけれど感情が拒むだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...私は先日慟哭した...
種田山頭火 「旅日記」
...それは詩人の無声慟哭だ...
辻潤 「惰眠洞妄語」
...噴火を地神の慟哭(どうこく)と見るのは適切な譬喩(ひゆ)であると言わなければなるまい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...拒みて慟哭しつゝ曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その時彼は慟哭の聲を放ちて友を呼ぶ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...汝ら内に慟哭の 240種なからずや...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私は先妻を亡くして慟哭した...
外村繁 「澪標」
...平生に似ない真率(しんそつ)な慟哭(どうこく)が私を動かした...
中島敦 「虎狩」
...地の底でなにものかが慟哭(どうこく)するかのように...
山本周五郎 「風流太平記」
...母は慟哭(どうこく)しながら...
吉川英治 「三国志」
...なお良人(おっと)の膝にしがみついて慟哭(どうこく)する...
吉川英治 「新・水滸伝」
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