...無上の快樂に無比の慙恨打ち雜りて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...今や無慙(むざん)にも引き放ちて棄てられ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...かの市岡の無慙な死が思い合された...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...あゝ思慮(しりよ)、知識(ちしき)、解悟(かいご)、哲學者(てつがくしや)の自若(じゝやく)、夫(そ)れ將(は)た安(いづく)にか在(あ)ると、彼(かれ)は只管(ひたすら)に思(おも)ふて、慙(は)ぢて、自(みづか)ら赤面(せきめん)する...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...かならず無慙(むざん)に失敗します...
太宰治 「風の便り」
...大勇猛心を起して郷試に応じても無慙(むざん)の失敗をするし...
太宰治 「竹青」
...次郎居即事朝の酒のあたゝかさが身ぬちをめぐるひとりでゐて濃い茶をすゝる物思ふ膝の上で寝る猫寝てゐる猫の年とつてゐるかな猫も鳴いて主人の帰りを待つてゐる人声なつかしがる猫とをり猫もいつしよに欠伸するのか猫もさみしうて鳴いてからだすりよせるいつ戻つて来たか寝てゐる猫よその樅の木したしう見あげては・なつかしくもきたない顔で徹夜働らく響にさめて時雨家賃もまだ払つてない家の客となつて・痒いところを掻く手があつた機械と共に働らく外なし・機械まはれば私もまはる・機械動かなくなり私も動かない人は動かない機械は動いてゐる・今夜のカルモチンが動(マヽ)く・投げ出された肉体があざわらつてゐる寸鶏頭君、元寛君に、先日来方々から寄せ書をしたが、感情を害しやしなかつたか知ら、あまりに安易に、自己陶酔的に書き捨てゝ、先方の感情を無視してゐた、慙愧々々...
種田山頭火 「行乞記」
...『無慙の汝、姿のみ艶美、好色の詐欺の子よ、汝此世に生れずは、或は女性に逢はずして 40逝かば却つて優(まし)ならむ、汝のために斯く願ふ、衆の目の前、冷笑と侮蔑の的にならんより...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かくして無慙のトロイアのあるもの...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...無慙の情念われを驅り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...眼を突かれた無慙の死体になって発見されたのですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...瓢箪塚は無慙(むざん)に掘り荒らされて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――愛嬌と世辞で評判になっている玄道の兇悪無慙(むざん)な顔ではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兇悪無慙な剽盗(ひょうとう)がたむろしていて...
久生十蘭 「無月物語」
...無慙(むざん)に死んでしまったのかと思うと...
水上滝太郎 「九月一日」
...死者への詫びやら慙愧(ざんき)やらに...
吉川英治 「私本太平記」
...お互い慙愧(ざんき)にたえない事でしかない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...無慙(むざん)にも裏切られた鷲尾老人が...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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