...無上の快樂に無比の慙恨打ち雜りて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...無慙(むざん)にも押っぺしょってくるくると縛りつけたのであろう...
石川欣一 「雪割草の花」
...あのような無慙(むざん)な終末をとげようとは...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...大勇猛心を起して郷試に応じても無慙(むざん)の失敗をするし...
太宰治 「竹青」
...先生だってもらってくださるのは厭でしょう」胡はひどく慙じた...
田中貢太郎 「胡氏」
...狂ふ無慙のかの息女――常に不法をたくらめる―― 875彼に父たる故をもてすべては君に相叛く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...トロイア軍の手にかゝり無慙の打撃受けし後...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...無慙の情念われを驅り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...さうかうするうち首席の荘田といふ子の去つたあとを襲つて級長になつたときにはもうおちやんに対する慙愧も憤懣も消えてたので...
中勘助 「銀の匙」
...眼を突かれた無慙な死體になつて發見されたのですから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ガラツ八の八五郎が、変な野郎と言つたのも道理、顏といふのは形ばかり、顎(あご)は歪み、鼻は曲り、額から月代(さかやき)かけて凄まじい縱傷がある上、無慙(むざん)、左の片眼までも潰れて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...継父弥助の連れ娘(こ)、歳はお菊より二つ上の二十歳(はたち)ですが、体が悪く不きりょうで、あまり店へも出さないようにしている、お吉と一緒に銭湯へ行って、途中まで帰って来たところを、――お吉が湯屋へ手拭を忘れて、それを取りに戻った間に、無慙(むざん)、喉笛(のどぶえ)を掻き切られて死んでいたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは兇悪無慙(むざん)な曲者(くせもの)の娘らしくもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冷酷無慙(れいこくむざん)なことをするだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...また時としては旧時の惨状(さんじょう)を懐(おも)うて慙愧(ざんき)の念を催(もよ)おし...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...そのお蔭で無慙な刺客(しかく)の手にかかって...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...虎の尾を捉えると答えたので子路自分の下士たるを慙(は)じ尾を出して棄てたとある...
南方熊楠 「十二支考」
...壮漢数輩拉(らっ)して沖の小島へ伴れ行き輪姦せしを本人も一族も慙(は)じて...
南方熊楠 「十二支考」
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