...是れ無慙(むざん)なる刺客(せきかく)の劍の羅馬第一の辯士の舌を默(もだ)せしめし處なりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...これはもっとも兇悪無慙の気違いには相違ないけれど...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...あのような無慙(むざん)な終末をとげようとは...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...『無慙の汝、姿のみ艶美、好色の詐欺の子よ、汝此世に生れずは、或は女性に逢はずして 40逝かば却つて優(まし)ならむ、汝のために斯く願ふ、衆の目の前、冷笑と侮蔑の的にならんより...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...無慙にも其同僚の愛情を――水師のほとり一切の 630他の誰よりも尊べる其友情を顧みず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...あゝ無慙なり、アキリュウス! 見ずや世の人、兄弟を、子を亡せる仇よりし賠償收め許す時、其族人のたゞ中に仇は安んじ身を留む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 285『無慙なるかな大(おほい)なる驚異ぞわれの眼に映る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...殺戮無慙のヘクト,ルの手を免(まぬが)れて水陣に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ガラッ八の八五郎が、変な野郎と言ったのも道理、顔というのは形ばかり、顎(あご)は歪(ゆが)み、鼻は曲り、額から月代(さかやき)かけて凄まじい縦傷がある上、無慙(むざん)、左の片眼までも潰(つぶ)れているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無慙な元吉の死体に取りすがって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心ざま兇惡無慙なること...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...無慙(むざん)な季節に煽(あお)られて...
原民喜 「冬日記」
...兇悪無慙な剽盗(ひょうとう)がたむろしていて...
久生十蘭 「無月物語」
...本土の人これを見れば大いに慙じたと(『中陵漫録』八)...
南方熊楠 「十二支考」
...只今ごとき無慙無義にして神社を潰して自分の俸給を上げんことのみ(つと)め...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...無慙な鞍傷(あんしやう)を...
三好達治 「艸千里」
...私は無慙な閑談を試みたとがめを蒙るかもしれない...
三好達治 「柘榴の花」
...小山も慙愧(ざんき)に堪(た)えず「モー分ったよ...
村井弦斎 「食道楽」
便利!手書き漢字入力検索