...それはすぐ無慙な歪んだ顔に成り...
高見順 「かなしみ」
...すべて無慙(むざん)に失敗し...
太宰治 「風の便り」
...彼が昨晩ほね折って貼りつけたばかりの電柱のビラが無慙(むざん)にも剥(は)ぎとられているのを発見するときには...
太宰治 「猿面冠者」
...情けないとも慙愧とも恥ずかしいとも何とも譬えようもない気持がして...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ああ見よや!若し無慙なるアレースの斯かる兇暴捨ておかば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...漂浪の道進むべき無慙の姿ものがたる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...『*無慙のパリス! 姿のみ美にして婦女に惑溺し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...今日見るが如き無慙な破損を与えた...
野上豊一郎 「パルテノン」
...長火鉢(ながひばち)の側に無慙な死體を横たへて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見るも無慙(むざん)な死にようをしているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冷酷無慙(れいこくむざん)なのは類のないことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――愛嬌と世辞で評判になっている玄道の兇悪無慙(むざん)な顔ではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冷酷無慙(れいこくむざん)なことをするだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心ざま兇惡無慙なること...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...無慙な別れかたをしないだらうと云ふ自信があつた...
林芙美子 「あひびき」
...さて上に引いた至親の同姓婚を畜生が慙(は)じて自害自滅したのが事実ならば...
南方熊楠 「十二支考」
...無慙(むざん)にも刺し貫かれた...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...けれどそれを強(し)いて兵助に知らせようとするほど無慙な者もいなかった...
吉川英治 「銀河まつり」
便利!手書き漢字入力検索