...東南岸に於て最も慘怛たる状況を呈せるは瀬戸...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...哀民の飢凍悲慘の状見るに忍びざるとかいふが如きに際して...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...寧ろ悲慘だね...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...より悲慘(ひさん)なる結果(けつくわ)を生(しやう)ずるではないか...
伊東忠太 「日本建築の發達と地震」
...何となく慘憺として悲壯な感じを起さしめるのかも知れぬ...
近松秋江 「湖光島影」
...など敵人を憐むや? 55トロイア族のおほいなる好意を汝館内に嘗て受けしや? 一人だもわれらの手より蒙らす無慘の破滅避けしめな...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...陰慘の水を痩せたる舌をもて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...槍にすぐれて彼らより悲慘の命を攘ふべし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...本年六月十四日遠洋航海の途次同乘の船員數名と共に小笠原群島母島の測量に從事し颶風に遭ひて遂に悲慘の死を致す...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...しかも帝都を去る程遠からぬ田舍に住んで居るといふ悲慘な事實を...
夏目漱石 「「土」に就て」
...相つぐこの恐ろしい慘劇にはさすがに打ちのめされた樣子だつた...
南部修太郎 「死の接吻」
...陰慘な部屋を照してをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...又時節が有らばとて引越しも無慘や車に乘するは病人ばかり...
樋口一葉 「大つごもり」
...慘酷な逃亡者! おゝ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...途中の慘めな壕のなかとは...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...折しもその炭坑に火災ありて坑夫あまた地底に燒死したりし慘害の後なりしかば...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...彼自ら寡聞寡讀をいふ、左右に何等の參考書册なく、附近に彼を慰藉する友人あるなし、彼の暮夜獨坐神往して詩を作るは、猶松蟲鈴蟲の、肅殺なる秋野に興酣しておのづから吟(すだ)くがごとし、謠ふものと聽くものと、等しく恍焉忘我の境に入ると雖も、荒凉慘澹、寧ろ耳を掩ふに遑あらず、詩豈活きざらむや...
横瀬夜雨 「花守」
...三國志の中の魏(ぎ)の曹操(そうそう)は、飮み水に渇(かわ)いた炎天の兵をはげまして「峠をこえれば、梅の村がある」と、兵に、酸味を思はせて、苦熱の渇をわすれさせたといふが、ぼくは、梅の實が生ると、あの頃の、梅より青い庶民の飢ゑの顏と、戰爭の慘が、梅酸のやうに思ひ出されてくる...
吉川英治 「折々の記」
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