...凡人の慘憺たる勞苦によつて獲得せる世界に比して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...哀民の飢凍悲慘の状見るに忍びざるとかいふが如きに際して...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...凝固したる陰鬱と沈痛と悲慘の雲霧であるのだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...海の悲風が慘憺として自分の胸に吹き入る樣な氣がして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...多數の人の家の悲慘な運命が隱れて居るのを...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...末路は悲慘であつたが...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...世にも慘虐(ざんぎやく)なことをして退けたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人丹右衞門が世にも不思議な手段で慘殺されるといふ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足の踏みども無いほどの慘憺(さんたん)たる有樣です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この兇惡無慘な浪人者を縛つてしまつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...孝次郎はこの慘めな兵達をみて...
林芙美子 「雨」
...無慘(むざん)や玉簾(たますだれ)ふき通(とほ)して此初櫻(このはつざくら)ちりかヽりし袖(そで)...
樋口一葉 「曉月夜」
...眼の前の光景の陰慘(いんさん)さに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あなたは虐待されたとか無視されたとか慘(みじ)めだとかつて喚き立てるのでせう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その凄慘さにおいても...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...罪人を出した親戚眷族(けんぞく)の悲慘な境遇を細かに知ることが出來た...
森鴎外 「高瀬舟」
...しかし横濱ほど慘酷にローラされたり地形を切りさいなまれた町は日本中でもまあ少い...
吉川英治 「折々の記」
...とても慘酷(むごたら)しいのよ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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