「慘」の意味
むごたらしい
小説での「慘」の使い方
...悲慘の軍終るべき希望に滿ちて喜べり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...アカイアの族慘澹の戰われに加へしは*責むべき諸神の所爲なりき) 165かなた雄々しき一人の名を今われに知らしめよ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其勇將は無慘なる青銅揮ひ*キュプリスを 330逐ひ行く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...立てるを訪へば慘然と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それで七十にも成る老人が物心覺えてからこんどの樣な洪水の慘害は見たことがないというたとの話である...
長塚節 「痍のあと」
...恐らくその視線は誰の眼にも陰慘な殘酷な...
南部修太郎 「疑惑」
...陰慘な、そのくせ妙に陽氣な、言ひやうもない不思議な花の山です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この陰慘(いんさん)な空氣の中から逃出すと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その慘憺(さんたん)たる有樣に先づ息を呑みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とツこに取(と)つて出(で)てゆけとまでは慘(むご)う御座(ござ)んす...
樋口一葉 「にごりえ」
...その凄慘な感じのうちに一脈の云ひしれぬ sweetness を湛へた手記を讀んでゐるうち...
堀辰雄 「高原にて」
...それに比べて現實を前にした詩人の何んと慘(みじ)めなことよ...
堀辰雄 「鳥料理」
...その慘めな姿をさらけだすまで...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...昔のやうに陰慘な氣持になることがなくなり...
三木清 「人生論ノート」
...おいらんはあまりに悲慘で...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...苦心慘澹をしながらめたん子は誰に一等賞をあたへるかに...
室生犀星 「めたん子傳」
...我が夜雨の詩を讀みたるは、七八年前某雜誌に載せられたる『神も佛も』といふ一長篇を以て初めとなす、當時彼の年齒猶少、その詩想、亦今より見れば穉簡を免れざる如しと雖も、我は未だ曾てかくばかり文字によりて哀苦を愬へられたることあらず、我が彼と交を訂したるは、爾後兩三年の間にあり、彼生れて羸弱、脊髓に不治の病を獲て、人生の所謂幸福、快樂なるもの、幾んど彼が身邊より遠ざかる、彼に慈母ありて愛撫※さに至り、家庭の清寧平温は、世稀に見るところにして、尠くとも彼自身はかれの如く悲觀す、彼もし哲人ならば、形骸を土芥視して、冷やかに人間と世間と、一切を嗤笑して止みしならむ、彼もし庸人ならば、無氣淪落その存在を疑はれて止みしならむ、然れども彼は情の人なり、眞の人なり、脆弱なる地皮より熱漿を吐く如く、彼が孱躯は肉を蠢にし、詩を靈にしたり、彼が詩は、實に悒然樂しまざるあまりに吐かれたる咳唾なり、尋常人に無意味なる落葉一片も、彼は清唳なくして之を看過する能はず、人生は彼に在りて憂が描ける單圈のみ、愁苦を以て結し、詩を以て分解す、彼が從來の半生涯傳は是也、故に彼の詩の半面は險、澁、幽、暗にして、他の半面は眞、率、慘、澹、之を貫ぬくに脈々たる生血(ライフ、ブラッド)を以てす、詩豈活きざらんや...
横瀬夜雨 「花守」
...ゲロゲロの慘状だつたが...
吉川英治 「折々の記」
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