...我木曾冠者義仲が其燃ゆるが如き血性と、烈々たる青雲の念とを抱いて何等の譎詐なく、何等の矯飾なく、人を愛し天に甘ンじ、悠然として頭顱を源家の呉児に贈るを見る、彼が多くの短所と弱点とを有するに関らず、吾人は唯其愛すべく、敬すべく、慕ふべく、仰ぐべき、真個の英雄児たるに愧ぢざるを想見せずンばあらず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...何となく暖かい家が慕わしくなる...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...35欝積する笛のねに去(さ)りがての思慕をつのらせる 青磁色のばらのはな...
大手拓次 「藍色の蟇」
...相愛し相慕へる年少男女が...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...悦子がお前を疎(うと)んじて雪子ちゃんを慕うようになったら困る...
谷崎潤一郎 「細雪」
...世に景慕すべきものはない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ちょうど暖かい家庭の灯火(ともしび)を慕って...
夏目漱石 「明暗」
...これを欣慕(きんぼ)して二念なき精神にてありながら...
福沢諭吉 「日本男子論」
...また「幼き春」などの幼時思慕篇の鏡花のそれを思はせるばかりのなつかしさ...
堀辰雄 「「古代感愛集」讀後」
...きゃつを慕っているな...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...お慕いになりましてもあなた様のお思いが通るものでもございません」とわかりきった生死の別れをお説きして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そしてまた彼女が悔い改めて自分を慕って...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...思慕の炎に駆られだすと...
吉川英治 「三国志」
...都から見え隠れにおあとを慕い...
吉川英治 「私本太平記」
...またその影を慕って...
吉川英治 「私本太平記」
...攀慕(はんぼ)の愁腸(しゅうちょう)...
吉川英治 「私本太平記」
...敬慕(けいぼ)と感激の眼で仰がずにいられない...
吉川英治 「新書太閤記」
...――すべて初めに厭(いと)って逃げてきた者がやたら無性(むしょう)に慕わしくなり...
吉川英治 「親鸞」
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