...駿河以東十余ヶ国の山野は、野州の双虎と称せられたる小山足利の両雄、白河の御館と尊まれたる越後の城氏、慓悍、梟勁を以て知られたる甲斐源氏の一党、はた、下総に竜蟠せる千葉氏の如き、幾多の豪族を其中に擁したりと雖も、覇を天下に称ふるものは、僅に、所謂、周東、周西、伊南、伊北、庁南、庁北の健児を糾合して八州に雄視する、上総の覇王上総介氏と、十七万騎の貫主、北奥の蒼竜、雄名海内を風摩せる藤原秀衡との両氏あるのみ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...幾多慓悍なる革命の健児を率ゐ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...その慓悍(ひょうかん)な生徒の顔ばかり眺めていた...
芥川龍之介 「毛利先生」
...選抜した慓悍(ひょうかん)な黒潮騎士の精鋭等(ども)に...
泉鏡花 「海神別荘」
...いかに印度志士が慓悍であるとはいえ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...始めの慓悍(ひょうかん)さをだんだんと失ってきて...
海野十三 「海底都市」
...慓悍(ひょうかん)な肩をゆすって笑ったりすると...
大阪圭吉 「坑鬼」
...アレースを――かの暴れ狂ふ慓悍の 830神――反覆の禍(まがつみ)を打ちて憚ること勿れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...之に從ふつわものは共に慓悍決死の士……』私は「東洋學藝雜誌」で初めて之を讀むだ(同誌に東京市の歌「あな變りたり武藏野や」といふのもあつたが誰れの作か覺えて居ない)...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...傲然(ごうぜん)たる慓悍(ひょうかん)さのうちにおける驚くべき技能...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...慓悍((へうかん))なれども童貞の悲観的なるやさしさをもちおのが秀れた執心に誇りを感じ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...その慓悍な眼ざしと...
堀辰雄 「羽ばたき」
...それは吉(よ)かったが全体この女性質慓悍で上長の人の命に遵(したが)わぬから遂に野獣に啖(く)わす刑に処せられた...
南方熊楠 「十二支考」
...)またその慓悍な声が刺(さ)すように云(い)った...
宮沢賢治 「泉ある家」
...この敏感な慓悍(ひょうかん)な魚は...
室生犀星 「幼年時代」
...寒林を横ぎってくる慓悍(ひょうかん)なる騎兵があった...
吉川英治 「三国志」
...かれのうしろ姿を追いかけた慓悍(ひょうかん)なる男があった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...この慓悍なスペイン騎士の一隊がインカの陣営でつとめた役割は...
和辻哲郎 「鎖国」
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