...慎みの中にも才走った面影(おもかげ)を見せて...
有島武郎 「或る女」
...慎みを忘れて自分が立派な憂国の志士であるように振舞う...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...人並み以上に慎み深い...
薄田泣菫 「茶話」
...飲酒にふけらず、ことばを慎み、女色、別して拝金に溺(おぼ)れてはなりませんぞ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...これは種々の名誉な肩書をになってる用心深い老人で、万事を気づかい、万事を慎み、部下の音楽家らに一言の注意を与えるのも恐れて、彼らのなすままを従順にながめ、また演奏の番組のうちには、幾年もの引きつづいた成功によって箔(はく)をつけられたものか、あるいは少なくとも、何か官僚的権威の公然の印をおされたものかでなければ、何一つ思い切って加えることもできなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...向こうは非常に慎み深かった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...穏和な哲学、欲望の節度、家庭や土地や道徳的習慣などへのやさしい執着、慎み、我(が)を通し他人を邪魔することの恐れ、感情の貞節さ、常住不断の控え目、などがあった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は過去に引き返そうとしないで――(引き返すのは馬鹿げた不自然な願いである)――自己の思想については尊大な慎みを事とし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...慎み深く平次の枕許に通りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...渋い身扮(みなり)と慎み深い様子をしておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慎み深い表情が何よりであり...
林芙美子 「晩菊」
...第六多言にて慎みなく云々は去ると言う...
福沢諭吉 「女大学評論」
...夫を主人と思ひ敬ひ慎みて事(つかう)べし...
福沢諭吉 「女大学評論」
...屁の慎みは今の欧人が昔よりも改進したのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...慎み深くしていずに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかしそれも冗費は国家のためお慎みになるようにと六条院からの御進言があっておできにならぬためにくやしく思召すばかりであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼の用兵は実に慎みぶかい...
吉川英治 「三国志」
...殊に身ぎれいに慎み...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索