...今日芥川の墓のある染井の慈眼寺に區で建てた立札はこれまた芥川龍之助の墓となつてゐる...
小穴隆一 「二つの繪」
...慈眼「慈眼...
太宰治 「もの思う葦」
...慈眼の波ただよい...
太宰治 「もの思う葦」
...その慈眼には子弟を愛する温情があふれるほど湛へられてゐたのに...
辰野隆 「浜尾新先生」
...慈眼視衆生(じげんししゅじょう)という慈眼なるものは半眼に閉じた眼であるからそれを見馴(みな)れているわれわれは開いた眼よりも閉じた眼の方に慈悲や有難(ありがた)みを覚えある場合には畏(おそ)れを抱(いだ)くのであろうか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...長身偉躯にして白髪白髯慈眼人を射るブース大将の飾らざる雄弁を引き受けて短躯小身なる山室軍平氏が息をもつかせずに火花を散らした通訳振りは言語に絶したる美事さであったと覚えている...
中里介山 「生前身後の事」
...早くも出離(しゅつり)の心を起したのは誠にこれ法然道理の聖(ひじり)であると慈眼房叡空は随喜して...
中里介山 「法然行伝」
...それから慈眼房は独り考えること数尅(すこく)の後法然の部屋に来て申訳をする旨には...
中里介山 「法然行伝」
...慈眼(じげん)を垂れて二人を見護って居るのでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...庚申塚(かうしんづか)から少し手前、黒木長者の嚴(いか)めしい土塀の外に、五六本の雜木が繁つて、その中に、一基の地藏尊、鼻も耳も缺け乍ら、慈眼を垂れた、まことに目出度き相好(さうがう)の佛樣が祀られて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「埃(ほこり)が付いてないネ、八」「ヘエ――」蓋を払って見ると、中に納めてあるのは、一尺二三寸の立像が一つ、恐ろしく煤(すす)に塗(まみ)れておりますが、慈眼を垂れて、確(しか)と嬰子(えいじ)を抱いた様子は、見馴れた仏様の姿態ではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慈眼(じがん)を垂れた大師の尊像ではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慈眼というように柔和になって...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...墨で――慈眼視衆生(じげんじしゅじょう)例年正月大施粥(おおせがゆ)同苦坊(どうくぼう)と...
吉川英治 「大岡越前」
...慈眼視衆生(じげんじしゅじょう)同苦和尚(おしょう)之語と...
吉川英治 「大岡越前」
...寛永初年、将軍家の開基以来、江都随一の花見場所となったこの山は、小唄浄瑠璃(じょうるり)仕舞(しまい)などもお構いなし、山内、花時に限って、無礼講、武家も町人も女も男も、毛氈(もうせん)花むしろの上には階級なく、清水堂のほとり、寒松院の並木、吉祥閣の下、慈眼堂の前、いたる所、花ある所、さんざめく小袖幕のかからぬ所はない有様...
吉川英治 「剣難女難」
...こういうときの領民は国主の慈眼を読みとることに甚だ賢(さと)い...
吉川英治 「新書太閤記」
...地へ垂るる慈眼と――仰ぐ無数の信頼の眼と――この場合...
吉川英治 「新書太閤記」
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