...どうぞ召上ってください」給仕は慇懃(いんぎん)に言葉をかえす...
海野十三 「宇宙尖兵」
...慇懃(いんぎん)に帽子を脱いでお辞儀をした...
薄田泣菫 「茶話」
...慇懃(いんぎん)な挙動(ものごし)で通路をあけてやったが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...そうでなくとも稀に逢えば誰でも慇懃な語を交換する...
長塚節 「太十と其犬」
...慇懃(いんぎん)な男女間(なんにょかん)の礼義は彼らのどちらにも見出す事ができなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...形ばかりの木戸を開けて慇懃に迎えました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...兄哥」平次の調子は慇懃(いんぎん)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ところでベラールは、最盛時のナポレオンといった、堂々たる偉丈夫で、態度も如才なく、慇懃で、音楽も文学もよくわかる...
久生十蘭 「悪の花束」
...やがて慇懃に膝へ手をおろして...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...かれらは慇懃(いんぎん)な召使いの大勢立っている立派な部屋を通って行った...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...一方には賭博者の要求に対していちいち慇懃(いんぎん)に耳を傾け...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...パーシウスはこの上もなく慇懃(いんぎん)な態度で...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...甚だ慇懃鄭重(いんぎんていちょう)であった...
吉川英治 「三国志」
...これへ来るまでは帰らぬ」慇懃(いんぎん)だとばかり思っていたこの青年の声に...
吉川英治 「新書太閤記」
...あなたは甲賀へおいでになるので……?」「はい」虚無僧は慇懃(いんぎん)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...心もち天蓋(てんがい)の頭(ず)を下げて慇懃(いんぎん)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...慇懃(いんぎん)に一献(こん)向ける...
吉川英治 「宮本武蔵」
...庭先から慇懃(いんぎん)にした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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