...日本の在留僧釈梅仙を請じて慇(ねんご)ろに読経供養し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...それから慇懃に腰をかがめて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...ニコヂーム・アレクサンドルィチがおずおずと慇懃な調子でいう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...もちまえの優美で落着きはらった慇懃(いんぎん)さで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...』『と申しまするは』と王の顏色慇懃に隔てなきを見(as he noticed the King's kind and frank expression)...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...慇懃にパトロクロスは厚き床...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...フランス人は慇懃な態度をとるすべを知っていますからね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして慇懃(いんぎん)な冷淡さを少しも変えないで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...遅刻致(いた)しましたと慇懃(いんぎん)に狸(たぬき)に挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...あらためて慇懃に一礼すると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おひきとりねがえませんか……いずれまた」おきまりの慇懃無礼で...
久生十蘭 「蝶の絵」
...慇懃な声が引っ込むと...
久生十蘭 「魔都」
...例の慇懃な態度も失わないで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...R氏が主に向つてくれぐれも慇懃に私のことを頼んでゐたが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...笠をぬいで慇懃に徳音寺の道を問ふ...
正岡子規 「かけはしの記」
...慇懃(いんぎん)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...だが、それほど愚鈍とも見えない内匠頭と思うと、或は、知っていながら、慇懃と口先だけ、出すべき実質の物を出さないで済ませようとする狡(ずる)い手ぐちかもしれないと邪推(じゃすい)した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...慇懃(いんぎん)であり...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索