...」粟野さんの前に出た保吉は別人のように慇懃(いんぎん)である...
芥川龍之介 「十円札」
...あたかも隣りに店を出した洋服屋の存在を教えるように慇懃(いんぎん)に神を教えるのである...
芥川龍之介 「少年」
...そして暫く黙つてゐて、それから慇懃に、しかもなんだか勉強して説明するといふ調子で云つた...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...こんな慇懃(いんぎん)な挨拶をしたのは...
泉鏡花 「婦系図」
...かくも慇懃に持ちかけられたので...
犬田卯 「沼畔小話集」
...慇懃(いんぎん)に帽子をとって...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...家主さんの方は慇懃なる儀礼からであつたらう...
高田保 「貸家を探す話」
...御迷惑ではありませんかな?」と慇懃(いんぎん)に挨拶して...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...御身願はくは(I pray you, sir)――リネツトは次第に慇懃になる(was growing civil)――『今それを吹かれずに...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...彼いま衆に慇懃(いんぎん)の誠をこめて説きて曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かくまで懇到慇懃(いんぎん)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...兄哥」平次の調子は慇懃(いんぎん)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...百兵衞と申しますが――」百姓男は慇懃(いんぎん)に挨拶しましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...Kは慇懃(いんぎん)にたずねた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ガンター調教師が慇懃(いんぎん)にミスター・スミスと呼んでいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...代りに出迎えた岡野という同心の態度も慇懃(いんぎん)であった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...ヒラリとそこへ降りて慇懃(いんぎん)にこう云った...
吉川英治 「剣難女難」
...慇懃(いんぎん)にいった...
吉川英治 「三国志」
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