...能不レ愧二衾影一否...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...いと愧かしき事と申して...
高木敏雄 「比較神話学」
...なお内心に何故とも知れざる自責の念と慚愧(ざんき)の情とが往来していた...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...次郎居即事朝の酒のあたゝかさが身ぬちをめぐるひとりでゐて濃い茶をすゝる物思ふ膝の上で寝る猫寝てゐる猫の年とつてゐるかな猫も鳴いて主人の帰りを待つてゐる人声なつかしがる猫とをり猫もいつしよに欠伸するのか猫もさみしうて鳴いてからだすりよせるいつ戻つて来たか寝てゐる猫よその樅の木したしう見あげては・なつかしくもきたない顔で徹夜働らく響にさめて時雨家賃もまだ払つてない家の客となつて・痒いところを掻く手があつた機械と共に働らく外なし・機械まはれば私もまはる・機械動かなくなり私も動かない人は動かない機械は動いてゐる・今夜のカルモチンが動(マヽ)く・投げ出された肉体があざわらつてゐる寸鶏頭君、元寛君に、先日来方々から寄せ書をしたが、感情を害しやしなかつたか知ら、あまりに安易に、自己陶酔的に書き捨てゝ、先方の感情を無視してゐた、慙愧々々...
種田山頭火 「行乞記」
...あの時の無情な仕打(しうち)を考え出しては多少良心に愧(は)じないわけにはゆかないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...愧赧(きたん)の念をも忘れる程に懷かしい...
中島敦 「山月記」
...彼は慚愧(ざんき)の眼をもって当時の自分を回顧した...
夏目漱石 「道草」
...何とも云えない慚愧(ざんき)のあまりにこれを焼いてしまおうかと思ったことはあった...
堀辰雄 「菜穂子」
...正を守り義を取り俯仰(ふぎょう)天地に愧(は)じざる...
正岡子規 「曙覧の歌」
...冷たい沼の底へ落ちて行くような慚愧の念でなやまされた...
松永延造 「職工と微笑」
...大人はそういう文化しか若いものに与えていないということについて大変慚愧するべきです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小山も慙愧(ざんき)に堪(た)えず「モー分ったよ...
村井弦斎 「食道楽」
...文化の末梢に毒されて神経衰弱に陥つてゐる我我自身の無力を愧づると共に...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...この朝の彼の眉には実にきびしい慚愧(ざんき)が滲(にじ)んでいた...
吉川英治 「黒田如水」
...慙愧(ざんき)するのほかお詫びすることばもない……」それからまた...
吉川英治 「三国志」
...余りな自己嫌厭(けんえん)や慚愧(ざんき)のあとでは...
吉川英治 「新・水滸伝」
...老母の姿へ胸中一ぱいな慚愧(ざんき)の眼を伏せて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あの後の慚愧(ざんき)...
吉川英治 「宮本武蔵」
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