...彼はその小説に感興して一気に読み終えた...
...彼女との会話がとても面白く、感興を持って聞いていた...
...その映画は観客全員が感興した...
...彼の話を聞いていると、どんどん感興が沸いてきた...
...彼女は自然の美しさに感興して、毎日散歩している...
...すると微醺(びくん)を帯びた父は彼の芸術的感興をも物質的欲望と解釈したのであろう...
芥川龍之介 「少年」
...前に感興のことをちょっと述べましたが、私たち筆執るものには、この感興は非常に大事なことで、感興の高さ、深さの如何によって、作品の調子がきまるわけですから、そういう感興によって出来た作品は、小さなものとか、簡単なものは別として、大きなもの、力のはいったものはなかなか、二度と再び出かそうといっても、とても出来そうには思えません...
上村松園 「虹と感興」
...こんな感興の後(あと)では...
薄田泣菫 「茶話」
...感興とか感激とかをもととする方面の作家からいうと...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...自然がたゞ單純な山河としてゞなく豐かな歴史的の感興を以て裏付けられてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...早くも正眞まぎれもない感興の炎までが彼の胸に燃えあがり...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...ソレハ一時の感興に打たれたからであつて深く考へて見たら決して喜ぶべき譯のものでない...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼がイタリーを知ってるのは「自然主義作曲家」らの卑しい音楽やウェルギリウスの故国が旅行中の文学者らにときおり感興を与えるテナーの小曲...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...感興年と共に衰へ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...殊に歌謡の演出に対して感興を催すことの甚困難であることを悲しむものである...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...この感興を何らの手段かで...
夏目漱石 「草枕」
...何の感興もなく流れてゐるのだ...
林芙美子 「下町」
...その主要な感興は自分自身をはつきり識らうとすることにあると言へる...
堀辰雄 「小説のことなど」
...些しも私の感興を唆(そそ)らなかった...
松本泰 「日蔭の街」
...余は斯うした場合の價値は其作品即ち小説なり隨筆なりが一般讀者の感興を惹くことの多少と...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...感興は生命の淡い気まぐれな噴水であり...
山村暮鳥 「小川芋銭」
...いっこう感興に乗って来ない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...見るたびごとに新鮮な感興が起こる...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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