...彼はその小説に感興して一気に読み終えた...
...彼女との会話がとても面白く、感興を持って聞いていた...
...その映画は観客全員が感興した...
...彼の話を聞いていると、どんどん感興が沸いてきた...
...彼女は自然の美しさに感興して、毎日散歩している...
...感興の来由するところ相邇(ちか)きをたづねて仮にわかてるのみ...
石川啄木 「一握の砂」
...前に感興のことをちょっと述べましたが、私たち筆執るものには、この感興は非常に大事なことで、感興の高さ、深さの如何によって、作品の調子がきまるわけですから、そういう感興によって出来た作品は、小さなものとか、簡単なものは別として、大きなもの、力のはいったものはなかなか、二度と再び出かそうといっても、とても出来そうには思えません...
上村松園 「虹と感興」
...これを書いた時の作者の芸術的感興が決して振張(しんちやう)されてゐなかつたといふことを証することが出来た...
田山録弥 「三月の創作」
...この葛藤(かっとう)に伴なう多くの美しい感傷の場面の連続によって観客の感興をつなぎつつ最後の頂点に導いて行く監督の腕前はそんなに拙であると思われないようである...
寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...自分の皮膚の黄色いことを忘れた日本人のむだな訓練によってゆがめられた心にのみ感興を呼び起こすであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...感興や本能的直覚や性格的刺激やによって必要にされた意識が...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...純眞にして充溢した感興が是非とも必要であった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...木魂(こだま)し反響するその深い感興こそ...
中井正一 「うつす」
...明治四十二三年以後に在つては最早やその時代の作家をして創作の感興を催さしむるには適しなくなつたのである...
永井荷風 「里の今昔」
...木下杢太郎(きのしたもくたろう)北原白秋(きたはらはくしゅう)諸家の或時期の詩篇には築地の旧居留地から月島永代橋(つきしまえいたいばし)あたりの生活及びその風景によって感興を発したらしく思われるものが尠(すくな)くなかった...
永井荷風 「日和下駄」
...わたくしは白井がその創作の感興を忘れられたこの伝説から借り来つたことを聞いて...
永井荷風 「来訪者」
...進んで行くうちに漸く感興を催して来て遂に高田実の荒尾譲介にぶっつかってしまったのだ...
中里介山 「生前身後の事」
...珍奇な異國的なものへの若々しい感興が急に溌剌と動き出した...
中島敦 「かめれおん日記」
...けれども継子にとっていつまでも続く事のできるらしいこの無意味な遊技的感興は...
夏目漱石 「明暗」
...何の感興もなく流れてゐるのだ...
林芙美子 「下町」
...たゞ文学的感興の湧くがまゝに一つの文学作品を書いたとする...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...その時芸術家の感興を弁(わきま)えぬ村人達から...
牧野信一 「ゼーロン」
...私たちに深い感興を与える...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
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