...私はそのやうな下手な感懐をもらす事はせず...
太宰治 「津軽」
...おろかしい感懐を示すようなもので...
太宰治 「人間失格」
...母なしとなどかは嘆くわれを生みし国土(こくど)日本(にっぽん)とこしへの母日本近くなった太平洋船中での私の感懐であります...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...自殺者がその遺書に長々と感懐を託するのと同じである...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...一種の感懐を禁じ得なかった...
豊島与志雄 「書かれざる作品」
...この或る人の感懐にはまだ私心があろう...
豊島与志雄 「文学以前」
...敗戦国の孤独人、そういう感懐が、三十歳未満の私の精神に却って媚びた...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...この作品に対する私の若き日の感懐の記念である...
豊島与志雄 「レ・ミゼラブル」
...日々の感懐には或は香以のそれに似たものがあるかも知れない...
永井荷風 「枯葉の記」
...心に思うところの感懐もまた変りはないのである...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...我ながら「遠くも来つるものかな」と傷心の感懐を洩らすのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんということもなく(死生何事ぞ……)といった風な一種の感懐が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...この際複雑な感懐などが起るべき筈はなく...
久生十蘭 「魔都」
...なまなましい昨夜の感懐は彼の脳裡にまざまざ書き列(つら)ねてある...
本庄陸男 「石狩川」
...憂(う)き旅寐のはては野ざらしとなるべきかといふ極端の感懐...
正岡子規 「古池の句の弁」
...もとより私の挙動でも感懐でもなかったうえに...
柳田国男 「海上の道」
...あのような愚かなことをするということ――こう考えた以外に私には何の感懐も起って来ない...
横光利一 「欧洲紀行」
...事実上岡倉先生の晩年の感懐であつたと言つてよいわけであるが...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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