...誰の胸をも離れない感懐だろうと思う...
上村松園 「中支遊記」
...もはや自分達の墓墳の地もここにおいて他にないというほどの感懐を深めるであろうか...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...速記者たる私のひそかな感懐である...
太宰治 「黄村先生言行録」
...貴殿ノ諸作ニ対スル御自身ノ感懐ヲモ御モラシ被下度伏シテ願上候...
太宰治 「虚構の春」
...・霜晴れほのかに匂ふは水仙或る夜の感懐・死にたいときに死ぬるがよろしい水仙匂ふ・寝るとしてもう春の水を腹いつぱい・月夜雨ふるその音は春二月十八日春ぐもり...
種田山頭火 「其中日記」
...母なしとなどかは嘆くわれを生みし国土(こくど)日本(にっぽん)とこしへの母日本近くなった太平洋船中での私の感懐であります...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...自殺者がその遺書に長々と感懐を託するのと同じである...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...一種の感懐を禁じ得なかった...
豊島与志雄 「書かれざる作品」
...この感懐、単なる感傷ではない...
豊島与志雄 「幻覚記」
...戦場生き残りという感懐を語った...
豊島与志雄 「塩花」
...そういう異邦人めいた感懐のなかに...
豊島与志雄 「白藤」
...彼等は好人兵に劣らずという感懐を持ち...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...右の女人の感懐に答えるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時M氏の洩らした感懐は...
中島敦 「狼疾記」
...左のごとき意味なき一詩を賦(ふ)して感懐をもらしたのは...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...なまなましい昨夜の感懐は彼の脳裡にまざまざ書き列(つら)ねてある...
本庄陸男 「石狩川」
...そういう感懐をもってしげしげと眺めます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...字句そのままを自分の感懐に擬しているようにも思われた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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