...涙せきあへざりし感懐を叙したるの詩あり...
石川啄木 「閑天地」
...もはや自分達の墓墳の地もここにおいて他にないというほどの感懐を深めるであろうか...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...「身体やら心やらその他色々の事情のためつい故人に疎遠に相成るようの傾」云々とあるのは独り漱石氏の感懐のみではない...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...マア坊の放心状態みたいな素直な姿態に就いてのひそかな感懐でもあったのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...心に思うところの感懐もまた変りはないのである...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...右の女人の感懐に答えるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...市街を限る路の上には大原女が一人歩いてゐた春宵感懐雨が...
中原中也 「在りし日の歌」
...だから私は万里征人未だ還らずといったような感懐よりも...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...私は異様な感懐に打たれ...
火野葦平 「糞尿譚」
...なまなましい昨夜の感懐は彼の脳裡にまざまざ書き列(つら)ねてある...
本庄陸男 「石狩川」
...その感懐をあたりのものに反射した...
本庄陸男 「石狩川」
...旅には相似た感懐がある...
三木清 「人生論ノート」
...やはり本人もさまざまの感懐があるからのことでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何か圧縮された鮮明なしかしまた名状のしがたい感懐を覚えるのである...
三好達治 「柘榴の花」
...婢の思量感懐は悉(ことごと)くおいらんを中心として発動している...
森鴎外 「細木香以」
...大宮人の感懐が、一番山の奥の田舎者にしみ込んで残っていたんだから、凄いですよ...
横光利一 「旅愁」
...欧洲に遊ばれた間の感懐を詠ぜられたものである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...事実上岡倉先生の晩年の感懐であつたと言つてよいわけであるが...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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