...(剣を抜く)王 年の若いのに感心な男だ...
芥川龍之介 「三つの宝」
...話の筋も通って人のあしらいもそりゃ感心なもんよ...
伊藤左千夫 「姪子」
...霜兵衛さんだけは感心な豪(えら)い仁(ひと)だ...
内田魯庵 「犬物語」
...実に感心な女なのだった...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...小林君の名案にすっかり感心なすって...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...だが唯一つ感心なのは...
薄田泣菫 「茶話」
...実に感心な女中さんだと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...感心な稚児だ...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...感心なほどでまたうるさいほどだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それで水車小屋の中にのみ引込んでいるが、感心なことには、毎朝欠かさず主人弾正の御機嫌伺(ごきげんうかが)いに行きます...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうも御無沙汰をしちゃった」感心なことに米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも感心なのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこへ行くと箆棒(べらぼう)には違ないが感心なところがあります...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...感心な乃木式(のぎしき)の人なりと讃(ほ)める人もある...
新渡戸稲造 「自警録」
...上井戸は車にて綱の長さ十二尋(ひろ)、勝手は北向きにて師走(しはす)の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお堪えがたと竈(かまど)の前に火なぶりの一分(ぷん)は一時(じ)にのびて、割木ほどの事も大台にして叱(しか)りとばさるる婢女(はした)の身つらや、はじめ受宿(うけやど)の老媼(おば)さまが言葉には御子様がたは男女(なんによ)六人、なれども常住家内(うち)にお出(いで)あそばすは御総領と末お二人、少し御新造(ごしんぞ)は機嫌かいなれど、目色顔色(かほいろ)を呑(の)みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る質(たち)なれば、御前(おまへ)の出様一つで半襟(はんゑり)半がけ前垂(まへだれ)の紐(ひも)にも事は欠くまじ、御身代は町内第一にて、その代り吝(しは)き事も二とは下(さが)らねど、よき事には大旦那(おほだんな)が甘い方(はう)ゆゑ、少しのほまちは無き事も有るまじ、厭(い)やに成つたら私の所(とこ)まで端書(はがき)一枚、こまかき事は入らず、他所(よそ)の口を探せとならば足は惜しまじ、何(いづ)れ奉公の秘伝は裏表と言ふて聞かされて、さても恐ろしき事を言ふ人と思へど、何も我が心一つで又この人のお世話には成るまじ、勤め大事に骨さへ折らば御気に入らぬ事も無き筈(はづ)と定めて、かかる鬼の主(しゆう)をも持つぞかし、目見えの済みて三日の後(のち)、七歳(ななつ)になる嬢さま踊りのさらひに午後よりとある、その支度は朝湯にみがき上げてと霜氷る暁、あたたかき寝床の中(うち)より御新造灰吹きをたたきて、これこれと、此詞(これ)が目覚しの時計より胸にひびきて、三言とは呼ばれもせず帯より先に襷(たすき)がけの甲斐々々(かひがひ)しく、井戸端に出(いづ)れば月かげ流しに残りて、肌(はだへ)を刺すやうな風の寒さに夢を忘れぬ、風呂は据風呂(すゑふろ)にて大きからねど、二つの手桶(てをけ)に溢(あふ)るるほど汲(く)みて、十三は入れねば成らず、大汗に成りて運びけるうち、輪宝(りんぽう)のすがりし曲(ゆが)み歯の水ばき下駄(げた)、前鼻緒のゆるゆるに成りて、指を浮かさねば他愛(たわい)の無きやう成(なり)し、その下駄にて重き物を持ちたれば足もと覚束(おぼつか)なくて流し元の氷にすべり、あれと言ふ間もなく横にころべば井戸がはにて向ふ臑(ずね)したたかに打ちて、可愛(かわい)や雪はづかしき膚(はだ)に紫の生々しくなりぬ、手桶をも其処(そこ)に投出(なげいだ)して一つは満足成しが一つは底ぬけに成りけり、此桶(これ)の価(あたゑ)なにほどか知らねど、身代これが為(ため)につぶれるかの様に御新造の額際(ひたへぎは)に青筋おそろしく、朝飯(あさはん)のお給仕より睨(にら)まれて、その日一日物も仰(おほ)せられず、一日おいてよりは箸(はし)の上げ下(おろ)しに、この家(や)の品は無代(ただ)では出来ぬ、主(しゆう)の物とて粗末に思ふたら罸(ばち)が当るぞえと明け暮れの談義、来る人毎(ごと)に告げられて若き心には恥かしく、その後(ご)は物ごとに念を入れて、遂(つ)ひに麁想(そさう)をせぬやうに成りぬ、世間に下女つかふ人も多けれど、山村(やまむら)ほど下女の替る家は有るまじ、月に二人は平常(つね)の事、三日四日に帰りしもあれば一夜居て逃出(にげいで)しもあらん、開闢(かいびやく)以来を尋ねたらば折る指にあの内儀(かみ)さまが袖口(そでぐち)おもはるる、思へばお峯(みね)は辛棒もの、あれに酷(むご)く当(あたつ)たらば天罸(てんばつ)たちどころに、この後(ご)は東京広しといへども、山村の下女に成る物はあるまじ、感心なもの、美事(みごと)の心がけと賞(ほ)めるもあれば、第一容貌(きりよう)が申分なしだと、男は直(じ)きにこれを言ひけり...
樋口一葉 「大つごもり」
...それよりも感心なは居暁の博物(ものしり)で...
南方熊楠 「十二支考」
...佐分さんは感心なことには池には鯉がゐませんといはれたが...
室生犀星 「京洛日記」
...かわいい女房の良心の方に(何という感心な慈悲心だろう!)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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