...かの近来の赤大根は君の小説に感奮し...
芥川龍之介 「八宝飯」
...ですが私の縮図帳には其の時その時の涙が織り込まれ感奮が描き込まれているわけでございますから...
上村松園 「座右第一品」
...その惨憺たるありさまに感奮して「田中正造を山師だと思いこんでいたのは自分の誤であった」と述懐するとともに...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かつはこの奇縁に感奮し...
太宰治 「惜別」
...外國人たる彼さへ幾度となく瞠目し感奮させられる事があつたのでした...
太宰治 「「惜別」の意圖」
...その好意に感奮して...
太宰治 「パンドラの匣」
...少年時代に感奮させられた聖賢の書を引っ張り出したりするのだったが...
徳田秋声 「縮図」
...ヴェルハアレンを感奮せしめたる生血(なまち)滴(したた)る羊の美肉(びにく)と芳醇(ほうじゅん)の葡萄酒(ぶどうしゅ)と逞(たくま)しき婦女の画(え)も何かはせん...
永井荷風 「江戸芸術論」
...しかし同じく生れて詩人となるやその滅びたる芸術を回顧する美的感奮の真情に至っては...
永井荷風 「霊廟」
...また何かに感奮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は花を見ては好く感奮するが...
松永延造 「職工と微笑」
...或る日或る時にひょんな事から感奮して見た映画の手ほどきが...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...其感奮の情が他をして筆を把つて数日間の記を作らしめたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...感奮せる師父(虚空を昇降しつゝ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ただそれを透視しうる人がまず感奮し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そしてそれはむろんわれわれを感奮せしむる多くの内容をもってはいますけれども...
山本周五郎 「菊屋敷」
...異常なそのときの感奮は長く忘られるものではない...
吉川英治 「私本太平記」
...それに感奮して、また数日の後、城壁の下まで戦い迫って行ったが、こんどは敵方から襲(う)った一弾に中(あた)って、仰向けに倒れてしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
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