...孤獨を孤獨のまゝにそつとして置いて貰ふことは寧ろ彼の最も愛好するところであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...美術を愛好する人々と膝(ひざ)をならべても...
有島武郎 「或る女」
...探偵小説を愛好するほどのインテリは...
海野十三 「探偵小説と犯罪事件」
...愛好する葡萄酒(ぶどうしゅ)の違いでさえ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...妻が愛好するアレキサンドリア産の菫香水(アリモネ)の匂いを仄(ほのか)に漂わせながら扉の向うでボチャボチャ! と...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼等の愛好する冗句(ジョウク)に哄笑し...
谷譲次 「踊る地平線」
...氏の愛好する「体系」をその「絶対無」の身代りにするのは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...体系を愛好する人は当然体系を造るべき筈である...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...もし自由を愛好するということから(唯物論者は恐らく誰よりこの自由を愛求しその妨害を誰よりも憎悪するが)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...伊藤侯と大隈伯とは共に他の元勳諸公に過ぐ故に其の門下生に富むも亦實に當代に冠たり然れども伊藤侯の愛好するものは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...文学を愛好する青年の小さな群が出来ていた...
豊島与志雄 「反抗」
...恐らく日本人の愛好するが爲に特別に製造して輸入したらしく思はるゝ琅の勾玉等を見...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...私が最も愛好する句の一つであり...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...我輩の愛好する歓楽を取り去るなかれ...
南方熊楠 「十二支考」
...谷崎氏の作品を愛好する理由が...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...真理を愛好する心持とか...
柳田国男 「故郷七十年」
...傾向は科学を愛好する人間の趣味...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...平和を愛好する婦人たちの心によって支配される時代は...
夢野久作 「少女地獄」
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