...孤獨を孤獨のまゝにそつとして置いて貰ふことは寧ろ彼の最も愛好するところであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...自分だけにおもしろいと思われる物をのみ愛好する勇気があったのだ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...日本人は世界じゅうで最もはなはだしく書籍を尊重し愛好する国民であるということを推論することはできない...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...教授が愛好する高次の静止の立場に於て救われるのではない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...氏の愛好する「体系」をその「絶対無」の身代りにするのは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...もし自由を愛好するということから(唯物論者は恐らく誰よりこの自由を愛求しその妨害を誰よりも憎悪するが)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...文学を愛好する青年の小さな群が出来ていた...
豊島与志雄 「反抗」
...ゴンクウルはそが愛好する歌麿の伝を著したる後(のち)四年を経て(千八百九十五年十二月即明治二十八年)更に葛飾北斎の詳伝を公(おおやけ)にしたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...国直に至りては歌川派中余の最も愛好する画工にしてその板画は文化年間の作と覚しき名所浮絵...
永井荷風 「江戸芸術論」
...それを愛好するとか称する現代紳士富豪の思想及生活とを比較すれば...
永井荷風 「妾宅」
...彼の最も愛好する安酒が彼の五官に浸透するに伴(つ)れ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...世人は漸く Orchidaceous Plants の蘭を愛好するようになったが...
牧野富太郎 「植物記」
...この人は働く音響効果を大変愛好するらしいわ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その方が便利でしょう? 私の愛好する二重唱の全曲とすれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...文章を愛好する人はこれを見て...
森鴎外 「空車」
...馬の乳を盛った器を彼らに捧げなければならなかった(これが彼らダッタン人の最も愛好する飲料であったから)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大体においおい世間なみの衣食を愛好する風を生じ...
柳田国男 「山の人生」
...平和を愛好する婦人たちの心によって支配される時代は...
夢野久作 「少女地獄」
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