...意趣(いしゅ)を含んで居ったものと見える...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...そう云う人が春琴の技に及ばないと云う噂を立てられては盲人であるだけに根強い意趣を含んだでもあろうし何とかして彼女の技術と評判とを葬(ほうむ)り去る陰険な手段をも考えたであろうよく芸の上の嫉妬から水銀を飲ましたと云う例を聞くが春琴の場合は声楽と器楽と両方であったから彼女の見え坊と器量自慢とに附け込み再び公衆の面前へ出られぬように相を変えさせたと云うのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...汝等(なんぢら)が心(こゝろ)に錆(さ)びつきし意趣(いしゅ)の中裁(ちゅうさい)に力(ちから)を費(つひや)す...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...僕は意趣返をしてやるんだ...
豊島与志雄 「黒点」
...私の方でも意趣晴しなどということをすっかり忘れていた...
豊島与志雄 「黒点」
...意趣返しなんかは彼奴(あいつ)らにとって訳ないことなんだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は自分の気に入らないときに意趣返しとしてその武器を使うばかりでなく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...意趣返(いしゅがえ)しに来たものと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...この馬子を斬らねばならぬ必要も意趣も...
中里介山 「大菩薩峠」
...「手前(てめえ)は言い寄って弾(はじ)かれた意趣返しに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何んの意趣だ」と拔き合せるのが精一杯...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...要するにこれは芸人仲間の紛糾(いざこざ)から根を引いての意趣晴しに過ぎないかも知れない...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...「――おまえのほうで二人に意趣をふくみ...
山本周五郎 「さぶ」
...後々も意趣に残すまじき事...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...その意趣返しをしに来たものに相違ありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...手前の意趣ある者と...
吉川英治 「新書太閤記」
...こういう気まずい顔つきも、至って、扱い馴れて居るらしく、『――唯今(ただいま)、御表におきまして、赤穂の城主浅野内匠頭事、意趣あって、高家の吉良上野介に対して刃傷に及びました...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...兄弟ぶんの意趣があるぞ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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