...彼はこの頃になつて漸く世間といふものゝ存在を眞正に意識することが出來るやうになつて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...我等は我等が意識する以上に本能のどん底から死を恐れてゐるのだ...
有島武郎 「運命と人」
...黒衣婦人の掛けているその長椅子をはっきり意識すると...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...事実上は――意識するとしないとに拘らず――常に夫々のプロレタリア的な又はブルジョア的な社会的実践意識・即ち階級的利害によって...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...之れによればその階級の利害が――意識するとしないとに拘らず――常に擁護されるのは至極当然だろう...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...資本主義の崩壊過程を社会自身の危機として意識するからなのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...自然弁証法の観念を意識することによって...
戸坂潤 「辞典」
...しかもみずからそれを意識するとき...
中井正一 「芸術の人間学的考察」
...自らも意識することなしに...
中島敦 「妖氛録」
...へエ」相手の懷中の十手を意識すると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其處に錢形平次が凝つと此方を見て居るのを意識すると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...怖いッ」平次の顔を意識すると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なぜならば彼等の意識する美は――即ち彼等の趣味は――始から互にその特色を別にする...
萩原朔太郎 「青猫」
...特に意識することなく...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...その笑ひを意識すると...
北條民雄 「青い焔」
...胸一杯に意識するだけでも...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...意識するしないに係らず...
横光利一 「旅愁」
...そして底力のある勇気の徐々によみがえって来ることを意識する...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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