...彼は、一切の不正を、不正として感じない程、意気地のない、臆病な人間だつたのである...
芥川龍之介 「芋粥」
...小さな流れ一つにも行き悩んだ意気地のない女の姿がどんなに惨めにおかしく見えたろう? だが一体どうしたことだろう? まさかにあの新聞の記事があとかたもない嘘とは思えないが...
伊藤野枝 「転機」
...自分のやうな意気地のないともすれば妥協を欲するやうな者はもつと酷い圧迫を受け制裁を加へられてあらゆる苦悶を舐(な)めさせられる機会でも与へられなければとてもあのやうな立派な生活は出来ないだらう...
伊藤野枝 「「婦人解放の悲劇」自序」
...意気地のない話ですが...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...あんな意気地のない人に...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...私は意気地のない人間をそこに見た...
田山録弥 「心の階段」
...やっぱり帰するところは我が夫の意気地のないということに帰着して...
中里介山 「大菩薩峠」
...意気地のない浅吉さんだのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...あまり意気地のないはなしではありませんか...
新美南吉 「疣」
...風を引きはせぬかと気遣(きづか)われるほど意気地のない布団の被(か)けざまをして...
広津柳浪 「今戸心中」
...こうしていつまでも殿との仲を絶とうとしては絶たれずに中途半端な暮らし方をしている意気地のない自分の事が反省せられ...
堀辰雄 「ほととぎす」
...もう目的がありません」意気地のないことを言って...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...誠に意気地のない・誠に間違った・自慢であると思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――どうもどッちも意気地のない男共である...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...なんたる意気地のない武士ぞといわれがちにきまっています...
吉川英治 「三国志」
...いつになく意気地のない主人と...
吉川英治 「私本太平記」
...意気地のない」「いや...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は、意気地のない、殊に、女には弱い――一個の青春の男でしかなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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