...なまじ薄髯(うすひげ)の生えた意気地のない兄哥(あにい)がついているから起って...
泉鏡花 「女客」
...その上なぜあんなに意気地のない死刑犯人だったろう...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...失敗したからとて断じて事を廃する様な意気地のない振舞(ふるまい)をしたことはない...
大隈重信 「青年の元気で奮闘する我輩の一日」
...その六人のごく意気地のない水夫どもは何の音も立てなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...さうしていぢけるのを無理やりにお国さんの隣へわりこませたが意気地のない二人はきまりわるがつて手を出さないので...
中勘助 「銀の匙」
...あの人に斬られるか……それを思うとヒヤヒヤしつづけですから」「ほんとうにお前は意気地のない人だ……さあ一つお上りよ」後家さんは...
中里介山 「大菩薩峠」
...あればっかりは手が届きませんねえ」「いよいよ意気地のない奴だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その意気地のないお化けの図体が...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の意気地のない心の病ひや厭世観を忘れしめた――といへる位なのであつた...
牧野信一 「ビルヂングと月」
...私たちがそれらの人々を呼んだ名は「古い頭の男」もしくは「意気地のない男」というのであった...
三木清 「語られざる哲学」
...誠に意気地のない・誠に間違った・自慢であると思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...意気地のないがおったらありゃしない」と...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...「意気地のない事を申すのではありませんが...
吉川英治 「江戸三国志」
...いつになく意気地のない主人と...
吉川英治 「私本太平記」
...遥かに自分より意気地のない人間だとは...
吉川英治 「新書太閤記」
...これはもうぼくの意気地のない足つきを見て察しられた川辺氏の懇切なおすすめだった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...意気地のない報告であった...
吉川英治 「平の将門」
...意気地のない、老先輩を師と仰いだのが、身の不運と思うて、共に、死んでくれい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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