...意気地なしの校長は校長で...
石川啄木 「足跡」
...意気地なしの、能力(はたらき)の無い其顔には、あり/\と当惑の色が現れてゐる...
石川啄木 「足跡」
...ただの岡見伍長ではないか? こないな意気地なしになって...
岩野泡鳴 「戦話」
...意気地なしの、大甘野郎の、女たらしの……」お千はまた興奮して、地団太(じだんだ)を踏み、往来の砂埃(すなぼこり)をしきりと立てていた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...何んだか恐いわ」「意気地なし! そんなら頼まないわよ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...それと云うのが、もともと塚本の仲人口(なこうどぐち)に乗せられて嫁に行ったのが不覚だったので、今更あんな怠け者の、意気地なしの、働きのない男なんぞに、捨てられた方が仕合わせだったかも知れないのだが、でも彼女としてどう考えても忌(い)ま忌ましく、あきらめきれない気がするのは、当人同士が飽きも飽かれもした訳ではないのに、ハタの人間が小細工をして追い出したのだと、そう云う一念があるからだった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...親父(おやぢ)のやうに意気地なしには為つて呉れるな...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...さうしてその気性とませた頭をもつて意気地なしのぼんやりな年弱に対してとかく女王のやうにふるまふ気味があつたが...
中勘助 「銀の匙」
...「意気地なし」後家さんから四たび突き飛ばされて...
中里介山 「大菩薩峠」
...場所柄が長局であるということと、それと、ここでは誰も知った者のあろうはずはないが、昨今、この城下へ姿を現わした、あのイケしゃあしゃあとした、いや味たっぷりの、色男気取りの、向う見ずで、意気地なしの、がんりきの百というやくざ者の姿を思い浮べてみると、いい気持はしない...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしは怖い」「意気地なし」「逃がして下さい」「逃がさない」「罪です」「罪なんぞ知らない」かわいそうに...
中里介山 「大菩薩峠」
...巡査に打殺(ぶちころ)されるような奴はよくよく意気地なしか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あたしを意気地なしだというのよ...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...決して意気地なしでねえことを見抜きましたわい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...意気地なしのように腰抜のように...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「大きな鞄の意気地なし」と笑っておりました...
夢野久作 「二つの鞄」
...助けてくれ」「意気地なし」「なんでもよろしい...
吉川英治 「江戸三国志」
...どう意気地なしに書かれても...
吉川英治 「随筆 新平家」
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