...が時々は文太郎を意気地なしと思うこともあるらしかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...意気地なしなのよ...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...彼女は圭太のように意気地なしではなかった...
犬田卯 「橋の上」
...意気地なしなんだもの」という事件があってから...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...意気地なしではない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...そして女房と腕押しをしてもいつも負けるくらいの実に品行方正な意気地なしなのだ...
大杉栄 「獄中記」
...それと云うのが、もともと塚本の仲人口(なこうどぐち)に乗せられて嫁に行ったのが不覚だったので、今更あんな怠け者の、意気地なしの、働きのない男なんぞに、捨てられた方が仕合わせだったかも知れないのだが、でも彼女としてどう考えても忌(い)ま忌ましく、あきらめきれない気がするのは、当人同士が飽きも飽かれもした訳ではないのに、ハタの人間が小細工をして追い出したのだと、そう云う一念があるからだった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...意気地なしめ、臆病(おくびょう)者!」彼女は相手の男を呼びかけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...三人で遊んでるときにも富公がいい気になつてひとのことを下手つくその意気地なしのといへばいつしよになつてばかにする...
中勘助 「銀の匙」
...わたしは怖い」「意気地なし」「逃がして下さい」「逃がさない」「罪です」「罪なんぞ知らない」かわいそうに...
中里介山 「大菩薩峠」
...畜生ッ、意気地なし、そのくせ、いけ図々しく、こんな虐(むご)たらしい絵まで描いて来やがって、ぬけぬけと私に見せるなんて、何んて根性だろう、外道ッ、鬼ッ」およつは半狂乱でした...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...「やアい意気地なし...
牧野信一 「周一と空気銃とハーモニカ」
...今は全く夏の疲れが出て居て意気地なしのところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」「会いたいくせにそれを耐えて、いらいらしていてそれが本心だというの、会いたくても飛び出せもしないくせしていて、意気地なしね、うそつきなのね、両方で同じことを言っているんだ、おばさまはおばさまで逃げ廻っているし、此方は此方で逃げを打つなんて、揃って人間なんて嘘のつき合いをしているようなもんだ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...わたしがそう思いこんでも意気地なしとはいわれまい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おじさんは意気地なしでだめなんだ」「ふん...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...どう意気地なしに書かれても...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そんな意気地なしじゃお困りだね...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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