...「平中! 平中! お前は何と云ふ意気地なしだ? あの雨夜を忘れたのか? 侍従は今もお前の恋を嘲笑つてゐるかも知れないのだぞ...
芥川龍之介 「好色」
...自分たち姉妹は何と云う意気地なしであろうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぼくは意気地なしだもんだから...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...意気地なしめ、臆病(おくびょう)者!」彼女は相手の男を呼びかけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして彼の意気地なしにある疑いを起こしたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...二十五意気地なしの私は人なかでは口がきけずなにかほしいものが目につけば袂をつかんだまま黙つて立ちどまつてしまふ...
中勘助 「銀の匙」
...男のなかのいちばん意気地なしで恥知らずで...
中里介山 「大菩薩峠」
...鼻っぱりの強い意気地なしなのである...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...あたしをおどかそうというの?」「ぼくは意気地なしなのか? やろうと思ったら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...自分が意気地なしにされた不満を覚えたが病気と聞いたので堪(こら)へたやうにうなづいたが...
牧野信一 「海棠の家」
...「やアい意気地なし...
牧野信一 「周一と空気銃とハーモニカ」
...浅草にゐるじぶんにはおもてで近所の子供たちと遊ぶなどおもひも寄らない意気地なしなのであつたが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...今は全く夏の疲れが出て居て意気地なしのところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...助けてくれ」「意気地なし」「なんでもよろしい...
吉川英治 「江戸三国志」
...そんな意気地なしじゃねえ心意(つもり)だが...
吉川英治 「剣難女難」
...意気地なしの義経には...
吉川英治 「随筆 新平家」
...「何だッ」暗い部屋へ、ふたたび、どかっと坐って、「――何のざまだっ、意気地なしめ、このざまは、このベソは」それは自分を罵(ののし)っているのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ものの道理の分らんやつじゃ! 弱い男め! 意気地なしめ!」と...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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