...□「武者小路(むしゃのこうじ)氏に」 十二月号白樺の誌上で私が「世間知らず」を軽蔑してゐるさうだとのことをお書きになつたのを拝見して私は本当に意外に存じました...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...意外にも若々しい響(ひびき)を持っていた...
海野十三 「四次元漂流」
...公正は事の意外に面喰って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...東北を救済し、否何か知らないが東北の何かを「振興」するのは、如何に面倒臭いものかということがこれでもってよくわかるが、しかし今日まで少なくとも四たび可決されたこの東北救済振興の名案の内容を見ると、意外にも、決してそれほど面倒な困難な仕事をしなければならないわけではない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...実際に演説をやって見ると意外にも決してそうではないということが判って来た...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...中廊下に出て、曲り角を経て、茶の間へ行こうとしますと、そこに意外にも、塚本堅造が立っていました...
豊島与志雄 「乾杯」
...わたくしには意外には思われませんでした...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...然し意外に――私などが意外とするほどに――少い...
豊島与志雄 「文学以前」
...意外に利(き)いたらしいので...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十五その夜、再び鈴木安芸守をたずねると、鈴木は、客間に杯盤を設けて、打ちくつろいで神尾を迎えたが、その座上に連なる二三子というのも、意外に皆、打砕けた気風で、御家人もあるが、いささか伝法な肌合いもあるが、幸いに神尾を見知っている者は無く、鈴木もまた、神尾の何者であるかを説明せずして、同じく待遇したものですから、場所がらと役目に似合わず、打解けた会合ぶりでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...調べて見ると、意外にも、それは猛毒を有する鳳凰角(ほうこうかく)(毒芹の根)の粉末であった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...意外にも早くやってきたので...
久生十蘭 「肌色の月」
...意外にもヨーロッパ一流のプリマドンナにひけをとらないと褒められてびっくりした上に...
三浦環 「お蝶夫人」
...含蓄にとみながらその歴史性を明確にした批評が出ることの意外にすくなかったことを思い合わされはしないだろうか...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
...メフィストフェレスこの若い、造られた物を見るのが、意外に嬉しい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そのもとの思わぬことができたというのはなんだ」「江戸の情勢が意外にさし迫りました」道之進はぐっと身を乗出した...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...それは見事な失敗に終って、「こいつらにも、無駄骨を折らせて気の毒だった」と思うままに、今、実相の一端を洩らしたのでありましょうが、意外にも、かれが話し終ると共に、「はてね? ……親分、私はそれと同じ話をツイ四、五日前にもよそで聞きましたが……」という者が出てきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...意外に集まりがわるく...
吉川英治 「私本太平記」
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