...殊に、前よりも、一層強くなつたのは、あまり早く芋粥にありつきたくないと云ふ心もちで、それが意地悪く、思量の中心を離れない...
芥川龍之介 「芋粥」
...意地悪く息の長い風だ...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...殊に教授は意地悪く余に読ませた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...それを相手は随分と意地悪くきいたかも知れなかつた...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...会社の方もこの頃は又意地悪く忙しいんで...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...意地悪くその女の面へパッと差しつけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し意地悪く云つてみるならばそれは評定根性である...
中原中也 「芸術論覚え書」
...それは不可(いか)ん君は猫だと意地悪くいうものがあるかも知れぬ...
夏目漱石 「模倣と独立」
...逆手ということもあるぜ」平次の調子は意地悪くさえ聴こえますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何(ど)んなに意地悪く縛ったものか...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...意地悪く答えました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...そうしたおりに意地悪く...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...意地悪く背後から三人の同級生によって追付かれた...
原民喜 「背後」
...友達に意地悪くいじめられても...
森鴎外 「心中」
...意地悪く出れば、女のようだとも云いたくなるが、なんのかのとは云うものの、今でもお前さんはもう娘子達には好かれていますね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...意地悪く、嫉(ねた)み深く、一旦(たん)我物にした女だからというので、無理に引き摺(ず)って連れて行く人の姿が見えたのである...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...と意地悪く見過しにしている気もちがある上に...
矢田津世子 「父」
...戒律についてのご信念でもよろしい……」意地悪く追求するのである...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索