...母親と逸子と二人とも意地悪く黙りこくつて何時までも各々に不機嫌な顔をし合つてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...僕は意地悪く、暫(しばら)くじっとそこから視線を放さないでいた...
梅崎春生 「魚の餌」
...意地悪く気取つて見せましたが...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...「葉子さんおはよう!」光子はわざと意地悪く葉子の前へ突立(つった)ってお辞儀をした...
竹久夢二 「先生の顔」
...どこまでも意地悪く...
田中英光 「オリンポスの果実」
...彼が今にも発狂しそうに喘(あえ)ぐさまを意地悪く観察しつつ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...その笑い方が妙に意地悪く響いたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...小意地悪くも彼の言うところと反対のことばかりをしたのである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...フランスの古い諺(ことわざ)を勝手に意地悪くもじって誦(しょう)してきかした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...同じ禄を頂戴している――意地悪く見れば...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...極めて意地悪く小突き廻すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し意地悪くいえば...
中谷宇吉郎 「抗議する義務」
...骨ばかり意地悪く高く残った頬...
夏目漱石 「思い出す事など」
...秋の陽は意地悪く照しつけて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そうしたおりに意地悪く...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...彼は意地悪く聞へぬ振りをしてゐた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...不思議な悪戯者が何処か見えない所から二人を意地悪く操って居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...平四郎は、意地悪く、『来たか!』と、彼方から男女(ふたり)へ声をかけた...
吉川英治 「夏虫行燈」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??