...失礼ながら、みなさん一様に貧乏なのを、わしひとり十両の仕合せにめぐまれて、天道(てんとう)さまにも御一同にも相すまなく、心苦しくて落ちつかず、酒でも飲まなけりゃ、やり切れなくなって、今夕御一同を御招待して、わしの過分の仕合せの厄払(やくはら)いをしようとしたのに、さらにまた降ってわいた奇妙な災難、十両でさえ持てあましている男に、意地悪く、もう一両押しつけるとは、御一同も人が悪すぎますぞ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...私がこの生みの母親から奇妙に意地悪くされた思い出は数限りなくございますのでして...
太宰治 「男女同権」
...その笑い方が妙に意地悪く響いたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人とすれちがう時などには特に意地悪くわざわざガリガリと強い音を出す...
寺田寅彦 「試験管」
...ラキーチンは意地悪くほくそえみながら言った...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...意地悪く小野川をひやかそうとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...意地悪くお銀様の面を見つめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしは意地悪くお前にこんなことを言うのではありませぬ」その言いつけに対しても申し分はあるけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...意地悪くのぞき込むようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...意地悪く手に合わないように噴(ふ)き出して来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...意地悪くガラガラ鳴るから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...コプリが意地悪く笑った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...意地悪くもいちど三郎に言いました...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...その外平和な都を意地悪く侵そうとして...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...霊魂をさらに卑怯にし・さらに意地悪く頑固にする・こと以外に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...意地悪く、雪も風もやまない...
吉川英治 「三国志」
...意地悪くは仰せもなく...
吉川英治 「私本太平記」
...時には意地悪く翻弄さえもする...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索