...一番うれしそうでした……」それは正造の苦衷をなぐさめようとする惻隠の響であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...決してことが運ばないのです」議席の誰も彼も膝つき合せて悲懐を聴かされるような惻々たる響に打たれて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...惻隠(そくいん)の心は...
太宰治 「竹青」
...恵み深き貴下は必ずや惻隠(そくいん)の情を起こし下さるべしと存候...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...深い惻隠(そくいん)の情で見守っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...惻々(そくそく)としてこの活劇を手に取る如く逐一見ていたものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...惻々たるその音声にも男の真情が偲ばれてなかなか憐れ深いのであった...
久生十蘭 「魔都」
...惻々として胸を打つような一通の手紙を書き送った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...惻々とその風格に接するの思いがあるのである...
藤島武二 「画室の言葉」
...何んともいへず惻々とした氣もちになつて參ります 又...
堀辰雄 「「古代感愛集」讀後」
...惻々として、上等なる感慨に迫られたものであつた...
牧野信一 「月評」
...その筆致の、悠々として迫らざる、その態度の清澄を極めたる着実さ、その微妙な人心の生むいとも朗らかな自然の飄逸味に、私は惻々と、胸を打たれながら読了した...
牧野信一 「推賞寸言」
...まったく惻隠憐憫の情をゆたかにもったモンテーニュには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...惻々として胸にせまってくるような心地がする...
吉川英治 「江戸三国志」
...實は酷烈過るほどな災害をも不惻に約してゐるのである...
吉川英治 「折々の記」
...そんな惻隠(そくいん)の情(じょう)めいたものが...
吉川英治 「私本太平記」
...慈愛をかくして峻烈(しゅんれつ)に不肖(ふしょう)の子を叱りながらもどこやらに惻々(そくそく)と悩んでいる厳父のこころが傷(いた)ましい強さで...
吉川英治 「親鸞」
...惻々(そくそく)と...
吉川英治 「親鸞」
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