...勝誇った寵児(ちょうじ)のプライドに充(み)ちた昔の面影は微塵も見られないで惻隠(そくいん)に堪えられなかった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...一番うれしそうでした……」それは正造の苦衷をなぐさめようとする惻隠の響であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...農民が茫然自失するのも当然だと惻隠をふくめた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...訥々として肺腑よりでる言葉は聴くものの心に惻々とひびいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...こう申しますので私は……」惻々として悲しみが胸に溢れてくると見えて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...その優しいお心が惻々として彼女の眼を霞(かす)ませてくる...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...惻々(そくそく)として私の胸を打ってきた...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
......
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...どこからともなく惻々として心に迫るものがあった...
原民喜 「翳」
...ジュウル・ファーブルという弁護士はルイ十七世の境界に惻隠の情を催し...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...彼女の徒らな臆惻を不安にも...
牧野信一 「秋晴れの日」
...惻々として、上等なる感慨に迫られたものであつた...
牧野信一 「月評」
...“Serpent of eternity”である限り惻々泣路岐の感からは逃れ得ぬに定つてゐるのだ...
牧野信一 「浪曼的時評」
...まったく惻隠憐憫の情をゆたかにもったモンテーニュには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...惻々(そくそく)と...
吉川英治 「大岡越前」
...惻々(そくそく)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...惻々(そくそく)と胸をうってくる...
吉川英治 「親鸞」
...惻々(そくそく)と...
吉川英治 「親鸞」
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