...〔譯〕惻隱(そくいん)の心偏(へん)すれば...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...惻々(そくそく)たる哀怨(あいえん)の辞をつらねて...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...それはいつでも惻々(そくそく)として人に迫り人を圧した...
有島武郎 「或る女」
...勝誇った寵児(ちょうじ)のプライドに充(み)ちた昔の面影は微塵も見られないで惻隠(そくいん)に堪えられなかった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...決してことが運ばないのです」議席の誰も彼も膝つき合せて悲懐を聴かされるような惻々たる響に打たれて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...さすがは女同志で惻隠も細かであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...今もなお惻々として胸に迫ってくるのを覚えずにはいられない...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...悪戯心や惻隠心から...
種田山頭火 「其中日記」
...惻然(そくぜん)として浜辺へと堤を下りた...
寺田寅彦 「嵐」
...そして惻隠(そくいん)の情に打たれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...恵み深き貴下は必ずや惻隠(そくいん)の情を起こし下さるべしと存候...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...惻々(そくそく)としてこの活劇を手に取る如く逐一見ていたものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...惻々とその風格に接するの思いがあるのである...
藤島武二 「画室の言葉」
...その筆致の、悠々として迫らざる、その態度の清澄を極めたる着実さ、その微妙な人心の生むいとも朗らかな自然の飄逸味に、私は惻々と、胸を打たれながら読了した...
牧野信一 「推賞寸言」
...この切々の情を見聞して流石(さすが)に惻※(そくいん)の情に動かされたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...惻々(そくそく)とわが陣営の上にそれを告げ迫っている心地がする...
吉川英治 「上杉謙信」
...情痴(じょうち)の惻々(そくそく)と打つような恋歌などを...
吉川英治 「親鸞」
...惻々(そくそく)と責(せ)め虐(さいな)まれた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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