...さう神經を惱ませなくなつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...自分は一人で烈しい霜解け道を惱んで歩いたまるで登山でもする樣に二三寸の土の上を上つたり下りたりした...
千家元麿 「自分は見た」
...時に殆んど治しがたき苦痛は天妃惱せり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...全軍は彼のヘレネーの故に惱む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...苦惱に高く呻めきつゝ血潮に染める塵攫む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...而して彼が心中に惱み乍らも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...宿痾の腎臟病に惱んで居たのではあつたが...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...僕も彼の姙娠した手紙を見て懊惱した時や...
長塚節 「開業醫」
...それまでのKの努力と心の惱みを深く知りながらも...
南部修太郎 「霧の夜に」
...恐ろしい苦惱に引歪(ひきゆが)められるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひどく八五郎を惱ませます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...意志の本質は惱みである...
萩原朔太郎 「宿命」
...青葉をもめば青い液(しる)が出るやうに惱めば思ひはかぎりない...
長谷川時雨 「こんな二人」
...しがない讀書子を惱ますこと夥しい...
羽田亨 「聚樂廻り」
...それらの殉教者たちの苦惱と歡喜との入り混つたエクスタシイに彼を溺らせない...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...五分十分の演説が續くので苦惱を覺えることがあるのである...
正宗白鳥 「私も講演をした」
...且は又迷惑な自分の地位に惱みながら責任のがれ專一に答へた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...西行法師の惱み――いつたい人間とはいかなるものかといふことにつきあたるわけであります...
吉川英治 「折々の記」
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