...自分の小さゝと弱さと卑しさとをその儘に看過する惰弱の心を挾んでゐないと云へなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...憎々しい惰弱な病的な汽笛や不平な野心の逞しい機械の音よりどの位...
千家元麿 「自分は見た」
...非常に惰弱になって巧言令色である...
太宰治 「虚構の春」
...当節は、士も、旗本の如く、悉く遊芸に凝れば、婦女子も、芸妓を見習って、上下、赴くところは、惰弱の道のみ、それと、これと、雲泥の差ではござらぬか...
直木三十五 「南国太平記」
...どういう訳(わけ)か人の道を忘れた放蕩惰弱(ほうとうだじゃく)なものの厭(いとわ)しい身の末が入相(いりあい)の鐘に散る花かとばかり美しく思われて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...主人が惰弱(だじゃく)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...当時惰弱の公方様(くぼうさま)に任せておいては...
中里介山 「大菩薩峠」
...あらゆる華奢惰弱の風を奨励した時から...
中里介山 「大菩薩峠」
...土地の人の惰弱だけならまあいいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...惰弱で不可(いか)ん...
夏目漱石 「それから」
...学芸によって国が惰弱(だじゃく)に流れることもある...
新渡戸稲造 「自警録」
...惰弱(だじゃく)な教育だと思うのです...
羽仁もと子 「おさなご」
...すでに惰弱(だじゃく)なる田舎(いなか)の士族は...
福沢諭吉 「旧藩情」
...空疎の議論こゑを絶ち、妥協、惰弱の夢破る...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...贅沢(ぜいたく)で惰弱(だじゃく)で我儘で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そんな惰弱な生活はゆるさん...
吉川英治 「親鸞」
...その後逐(と)うとう惰弱に流れ...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
...こんな惰弱な風はよろしくないといって...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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