...自分の小さゝと弱さと卑しさとをその儘に看過する惰弱の心を挾んでゐないと云へなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...自己を愛する最眞の途も亦自己の惰弱を鞭つて此戰に赴かせる點に窮極しなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...一旦(いったん)心に印(いん)せられた惰弱の風(ふう)と共に永久に消ゆるの時がなかろう...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...憎々しい惰弱な病的な汽笛や不平な野心の逞しい機械の音よりどの位...
千家元麿 「自分は見た」
...惰弱な紳(しんしん)の生活ぶりを真似(まね)ていたので...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...どういう訳(わけ)か人の道を忘れた放蕩惰弱(ほうとうだじゃく)なものの厭(いとわ)しい身の末が入相(いりあい)の鐘に散る花かとばかり美しく思われて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...主人が惰弱(だじゃく)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...惰弱(だじゃく)な...
中里介山 「大菩薩峠」
...その惰弱(だじゃく)に換えるのに一種の威風を以てしているところを見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...土地の人の惰弱だけならまあいいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなことではまことに困った神祖以来の尊き大業賊徒の馬蹄にかけるは歎息数も知らない旗本御家人多くの中には一人や半分忠義なお人が有りそなものだよ三千以上のお高を貪(むさぼ)り惰弱な奴原...
中里介山 「大菩薩峠」
...惰弱で不可(いか)ん...
夏目漱石 「それから」
...どうも職業のない人間は、惰弱で不可ん...
夏目漱石 「それから」
...僕も豆腐屋へ年期奉公に住み込んで置けばよかった」「君は第一平生から惰弱(だじゃく)でいけない...
夏目漱石 「二百十日」
...すでに惰弱(だじゃく)なる田舎(いなか)の士族は...
福沢諭吉 「旧藩情」
...惰弱だといわれる...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...その後逐(と)うとう惰弱に流れ...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
...こんな惰弱な風はよろしくないといって...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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