...自分の小さゝと弱さと卑しさとをその儘に看過する惰弱の心を挾んでゐないと云へなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...自己を愛する最眞の途も亦自己の惰弱を鞭つて此戰に赴かせる點に窮極しなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...非常に惰弱になって巧言令色である...
太宰治 「虚構の春」
...惰弱な紳(しんしん)の生活ぶりを真似(まね)ていたので...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いったい政秀は父の政高に輪をかけた惰弱悠長(ゆうちょう)な性質で...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...当節は、士も、旗本の如く、悉く遊芸に凝れば、婦女子も、芸妓を見習って、上下、赴くところは、惰弱の道のみ、それと、これと、雲泥の差ではござらぬか...
直木三十五 「南国太平記」
...どういう訳(わけ)か人の道を忘れた放蕩惰弱(ほうとうだじゃく)なものの厭(いとわ)しい身の末が入相(いりあい)の鐘に散る花かとばかり美しく思われて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...惰弱(だじゃく)な...
中里介山 「大菩薩峠」
...当時惰弱の公方様(くぼうさま)に任せておいては...
中里介山 「大菩薩峠」
...その惰弱(だじゃく)に換えるのに一種の威風を以てしているところを見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...土地の人の惰弱だけならまあいいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなことではまことに困った神祖以来の尊き大業賊徒の馬蹄にかけるは歎息数も知らない旗本御家人多くの中には一人や半分忠義なお人が有りそなものだよ三千以上のお高を貪(むさぼ)り惰弱な奴原...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうも職業のない人間は、惰弱で不可ん...
夏目漱石 「それから」
...学芸によって国が惰弱(だじゃく)に流れることもある...
新渡戸稲造 「自警録」
...惰弱(だじゃく)な教育だと思うのです...
羽仁もと子 「おさなご」
...いや迷信も無信仰も惰弱も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...左様な惰弱な徒の言に過(あやま)られ給わぬように...
吉川英治 「三国志」
...贅沢(ぜいたく)で惰弱(だじゃく)で我儘で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??