...パンドラの箱の中には、疾病、恐怖、怨恨、哀愁、疑惑、嫉妬、憤怒、憎悪、呪咀、焦慮、後悔、卑屈、貪慾、虚偽、怠惰、暴行などのあらゆる不吉の妖魔がはひつてゐて、パンドラがその箱をそつとあけると同時に、羽蟻の大群の如く一斉に飛び出し、この世の隅から隅まで残るくまなくはびこるに到つたといふ事になつてゐるが、しかし、呆然たるパンドラが、うなだれて、そのからつぽの箱の底を眺めた時、その底の闇に一点の星のやうに輝いてゐる小さな宝石を見つけたといふではないか...
太宰治 「お伽草紙」
...怠惰者を愉快にしてやる訳には行きません...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...今日純粋物理学の立場から言えば感覚に関した音という概念はもはや消滅したわけであるが因習の惰性で今日でも音響学という名前が物理学の中に存している...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...全帝国における惰気倦怠の掃き溜め...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...つまりごく普通の学術的惰性に従った意味に於ける論理に之を限定することだ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...惰性に圧倒されてしまうからだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼はただ閑散なるままに懶惰な生活をして時を過した...
豊島与志雄 「囚われ」
...土地の人の惰弱だけならまあいいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...怠惰が健康でないように...
中島敦 「環礁」
...ほとんど惰性のようになっている...
夏目漱石 「門」
...惰性的になること...
三木清 「哲学入門」
...おれは支那人のやうに怠惰で物憂く...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...人を凌(しの)ぎ世に傲(おご)った前生活の惰力ではあるまいか...
森鴎外 「百物語」
...惰(なま)けて水を忘れて主人の馬を死なせ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...自分の怠惰な心を正したいためもある...
横光利一 「旅愁」
...夜来(やらい)の惰気(だき)と昏迷(こんめい)を...
吉川英治 「黒田如水」
...朝から続いて惰気(だき)満々(まんまん)だった大人(おとな)どもの試合のどれよりも真剣で凄まじくさえあった...
吉川英治 「剣の四君子」
...遊惰な悪習を蹴とばした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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