...ただ一瞥(いちべつ)を与えただけで自分は惰性的に神保町の停車場まで来てしまった...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...惰性をもったものがその正常の位置から引き退けられて...
寺田寅彦 「笑い」
...その怠惰にして放逸なるものは悪衣悪食...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...彼女はとにかくしたたかな娘で、道徳心もなく、怠惰で、肉感的で、快楽を好み、くだらない愛嬌(あいきょう)をふりまいてばかりいたが、しかし同時に、いかにも公明であり、いかにも善良であって、そのあらゆる欠点も自然で健やかなために、笑って済まさざるを得ないし、ほとんど愛せざるを得なかったのである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...柔惰な享楽主義の生温(なまぬる)い枕(まくら)をし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...懶惰と云ふものは生来知らない...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...学芸によって国が惰弱(だじゃく)に流れることもある...
新渡戸稲造 「自警録」
...その怠惰さ加減に比例して...
牧野信一 「明るく・暗く」
...昼もなき怠惰な村の愛日抄を書かう...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...と思ふと私の気持は急に怠惰なものに変りました...
牧野信一 「砂浜」
...此頃のやうな怠惰な鬱屈の影はなかつた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...怠惰の滝もこの頃では終日「送りの広場」に出て山から引かれて来る胴切りの木材の直径を計る仕事などに励んでゐました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...断じて選り好みや怠惰をきめ込んでゐるわけはないのであるが...
牧野信一 「浪曼的月評」
...惰気(だき)満々のていたらくです...
吉川英治 「三国志」
...粛(しゅく)として寸毫(すんごう)の惰気(だき)も見えませぬ...
吉川英治 「三国志」
...懶惰(らんだ)になってゆき易いことを...
吉川英治 「親鸞」
...前将軍家重(いえしげ)の遊惰(ゆうだ)なこと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...怠惰な者の真の富と収入とは...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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