...ヨブの実状は思いの外(ほか)に惨憺(さんたん)たる有様であった...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...惨酷じゃありませんか」話は当然そこへ落ちて行った...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...平地木やら原配の蟋蟀(しっしゅつ)やらをうろうろ捜し廻っている自分の悲惨な姿であった...
太宰治 「惜別」
...何ともいえぬ凄惨(せいさん)さです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...この場合如何にも陰惨に見えた...
豊島与志雄 「群集」
...彼の惨(みじ)めな胸に空気が必要であるより以上に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こんなに悲惨(みじめ)な目に遇(あ)はずとも済(す)んだであらう...
永井荷風 「すみだ川」
...悲惨とも言い様のないほどに...
中里介山 「大菩薩峠」
...随テ願訴スレバ随テ之ニ報ユルニ惨毒ヲ以テシ...
福沢諭吉訳 「アメリカ独立宣言」
...眼前の惨状を見ようとしない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...人々が大惨事を語る様子はとても冷静で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...これはその負傷から死に至る間の惨状人をして顔を背(そむ)けしむる事甚だしきより...
南方熊楠 「十二支考」
...自分の妹を死ぬ様になどと云うのはいかにも惨酷な様に聞えるけれ共たった一人の妹を愛する心は白痴の恥かしい姿を生きた屍にさらして悲しい目を見せるよりはとその死を願うのであった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...言はゞまあ惨めな相談だ...
三好十郎 「地熱」
...だがそれが圧倒されて悲惨な有様にあるのを見るならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...長安(ちょうあん)以来の惨禍を世に捲き起しましょう...
吉川英治 「三国志」
...ことに、最後の日は、両軍の接戦、惨烈を極めて、曹操自身も、乱軍の中に巻きこまれ、蜀の魏延と刃(やいば)を交(まじ)えているうちに、「斜谷の城中から、裏切者が火の手をあげた」という混乱ぶりであった...
吉川英治 「三国志」
...いよいよ大火の惨状が現実として迫って来たのである...
和辻哲郎 「地異印象記」
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