...(とこ)の上に惨(むごた)らしく...
芥川龍之介 「地獄変」
...それだけでも惨憺たるものだが...
石川欣一 「比島投降記」
...すこし惨(みじ)めそうな顔になって立っていた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...悲惨と情慾とはうらはらのものらしい...
太宰治 「ア、秋」
...懲役(ちょうえき)にでも服しているような陰惨な感じがして...
太宰治 「未帰還の友に」
...屍体(したい)は惨鼻を極めている...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...農村の人達の上に展開される人生――それは決して悲惨ばかりでない...
田山録弥 「レイモンドの『農民』」
...それの悲惨な特性は...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...倭い惨めな自分の家を眺めてみた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...呻きの声はただいまのその琵琶から起ったのではないか?それならば脈がある……あれほど無惨に殺された琵琶に...
中里介山 「大菩薩峠」
...大川竜太郎(三二)は妻蓉子(二六)長女久子(三歳)の三人家族で同家には他に佐藤定子とよぶ女中がいるのだが惨劇当夜より約一週間程前から父親が病気なので一時暇をとっていたため昨今はまったくの親子水入らずの三人暮しである...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...敗戦直後は人間の悲惨さえ珍しく...
原民喜 「ある手紙」
...露軍がどういう惨憺たる運命を辿ったか...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...妹のベスが悲惨な精神状態になったと分かっただろうに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...実に悲惨でもあり...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この人の荷物だけは底から見るも無惨にひっかき廻された...
横光利一 「欧洲紀行」
...投げられた者は皆、脳骨(のうこつ)をくだき、眼窩(がんか)は飛びだし、またたくうちに碧血(へきけつ)の大地、惨として、二度と起き上がる者はなかった...
吉川英治 「三国志」
...これらの悪材料のために前後不覚となり惨落となった...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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