...私は思はず凄惨な気に打たれてしまつた...
有島武郎 「骨」
...しかし皆何故水から引き上げられた犬みたいに険しい惨(みじ)めな眼付をしているのだろう...
梅崎春生 「蜆」
...とうとう惨酷な制裁を加えてしまったんだ...
海野十三 「深夜の市長」
...然(しか)らばこのたびの大戦の惨禍を経験して...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...死人の首と云うものから来る或る陰惨さは別として...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そして陰惨になるつつあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...悲惨事をのみ描きて時に詩的正義の大道をだに逸し去らんとするの観あるに対して...
綱島梁川 「国民性と文学」
...丸(まる)の内(うち)の街路の鈴懸(すずかけ)の樹のこの惨状を実見したあとで帝劇へ行って二階の休憩室の窓からお堀(ほり)の向こう側の石崖(いしがけ)の上に並んだ黒松をながめてびっくりした...
寺田寅彦 「柿の種」
...世界にも未曾有(みぞう)の惨劇があり...
徳田秋声 「仮装人物」
...そしてこんな惨めなところに落込むことはなかったろう...
豊島与志雄 「道化役」
...凄惨な、殺気とでも名づけるような異常な光が、放たれていた...
直木三十五 「南国太平記」
...この上馬に乗せようとするのは惨酷じゃねえか...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るも無惨な窘窮(きんきゅう)の色が...
中里介山 「大菩薩峠」
...陰鬱とも悲惨ともいいようのない気分がこの場の空気を独占し...
久生十蘭 「魔都」
...この地下室全体がまるで墓塋でもあるような陰惨な印象を与える...
久生十蘭 「魔都」
...「こんな惨(みじ)めなくだらないことで僕は死なねばならんのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...惨(みじ)めになった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...航空兵器の惨害は...
吉川英治 「随筆 新平家」
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