...好事(かうず)の人この石を乞(こ)へども村人(そんじん)祟(たゝり)あらんを惧(おそれ)てゆるさずとぞ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...つい秘密を打ち明けてしまう惧れもあるのだから」彼女はそれを嫌う...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...その四隣を惧(おそ)れしめたる...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...云うまでもなく単にファッショ的勢力に対する個人身辺の危惧によるばかりでなく...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...幾度も幾度も――徳之助がそのまま逃げ出しでもするのを惧(おそ)れるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...当時はそれを惧(おそ)れ憚って...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...吹き溜りでテントの埋まるのを惧(おそ)れたので...
松濤明 「槍ガ岳」
...「この家を出たらどうなるだろう」という不安と惧れに変っている...
山本周五郎 「初蕾」
...信乃に軽侮されることを惧(おそ)れると云った...
山本周五郎 「めおと蝶」
...そのため却って退け下すような仕儀ともなりかねない惧れを感じた...
横光利一 「旅愁」
...その眉には、「……まあ、よかった」として、一時の恐惧を、ほっと涼風に払っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...指令に従わぬとでもいう惧(おそ)れか」「…………」「阿呆(あほう)やな...
吉川英治 「私本太平記」
...母の疲れを惧(おそ)れて...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...おれに出向かれるのを惧(おそ)れて...
吉川英治 「源頼朝」
...六波羅に通じられる惧(おそ)れはないかな...
吉川英治 「源頼朝」
...攻守の立場の逆になるのをかねてから惧れていたのである...
吉川英治 「源頼朝」
...こんどはそれを惧れたこともぼくの記憶に消し難い...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...それはあながち、危惧ではない...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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