...家康が部下の失策を責める場合にはまず最初にその者の勲功をほめておいて「かほどのてがらをたてながら今回の失策は汝のために惜しむ」といった筆法で訓戒を与えたものだそうだ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...彼女と視線を合わせることなく余所(よそ)ながら名残(なご)りを惜しむ心で偸(ぬす)み視(み)ることが出来るのであった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...これは惜しむべきことである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...その天分を少しも惜しむところなく発揮し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これは新機軸を出す筈であつたが惜しむべきである...
内藤湖南 「支那目録學」
...道場の名残(なごり)を惜しむためか...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰に向っても惜しむことのないお雪ちゃん――お雪ちゃんは今...
中里介山 「大菩薩峠」
...個人として大いに惜しむところであるが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...散りくる花をそれで受けとめ過ぎゆく春を惜しむ心で...
野口米次郎 「能楽論」
...春宵(しゅんしょう)一刻を惜しむの長夜の宴を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは紅梅を鶯のやうな鳥の一種と観じ嘴のないのを惜しむ心であつて...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...近年その樹の減るのを惜しむ人々が出来てそれは禁制にしたそうだ...
牧野富太郎 「植物記」
...それだけが別れを惜しむ相手だったからだろうね」「ああ居眠りばかりしていたんじゃ...
山本周五郎 「季節のない街」
...たいせつなのは命を惜しむことだ...
山本周五郎 「死處」
...」千鶴子はこう云いながら明日の別れを少しも惜しむ様子ではなく...
横光利一 「旅愁」
...少しも惜しむところはない...
吉川英治 「三国志」
...お別れを惜しむ様子...
吉川英治 「宮本武蔵」
...吾れこの身を惜しむために発するにあらず...
吉田松陰 「留魂録」
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