...こんなに急いでこの病院を去つて了ふのが惜しくもあつた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...洋々たる前途を望みながら惜しくも彼は逝ってしまいました...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...そんなに口惜しくもなかつたのである...
太宰治 「津軽」
...自分は口惜しくも濁世(じょくせ)に生れ合わせて無実の讒奏を蒙(こうむ)り...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...嬉(うれ)しくもまた残惜しくも思った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それらはさほど惜しくもないが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...黒岩の頂は惜しくも雲に隱されたが...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...ヨイチ澤(コダ池澤)の下り名殘惜しくも僅か一服で黒岩山の頂を離れた私達は其れから南に尾根の偃松を分けて下つた...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...千兩箱は惜しくもないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...と意外なことをいい出すところで惜しくも前回の終りになっていた...
久生十蘭 「魔都」
...それが惜しくも業なかばにして病歿した上条一寿(かずとし)である...
堀辰雄 「花を持てる女」
...いくらか口惜しくもあるので...
牧野信一 「心配な写真」
...口惜しくも何ともないの――たゞ...
牧野信一 「南風譜」
...惜しくもその席をお引きになったその時の御感想に...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...生きておれば必ず情けないことにあわねばならぬ自分の命などは惜しくもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...惜しくも洩れたのでございましょう...
吉川英治 「私本太平記」
...口惜しくもあり恥かしくもあって...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...そゞろに殘り惜しくも振返へられた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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