...惜しくも彼の大砲が六発目には破裂してしまったということだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...惜しくも目盛盤(めもりばん)を合わせているうちに...
海野十三 「地球要塞」
...惜しくもまた空電に遮(さえぎ)られてしまった...
海野十三 「地球要塞」
...名残(なごり)惜しくもクロクロ島を出掛けたのであった...
海野十三 「地球要塞」
...「乾飯は惜しくもないが...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...ヨイチ澤(コダ池澤)の下り名殘惜しくも僅か一服で黒岩山の頂を離れた私達は其れから南に尾根の偃松を分けて下つた...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...千兩箱は惜しくもないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口惜しくもあつた...
萩原朔太郎 「宿命」
...と意外なことをいい出すところで惜しくも前回の終りになっていた...
久生十蘭 「魔都」
...いくらか口惜しくもあるので...
牧野信一 「心配な写真」
...口惜しくも何ともないの――たゞ...
牧野信一 「南風譜」
...朝茶を飲み乍(なが)ら昨夜の恋の紛紜(ふんうん)を考え出し熱く邪気ない恋をしてくれた小娘をああした邪慳(じゃけん)な捨て方で捨ててしまったのがどうやら残り惜しくも思われれば...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...生きておれば必ず情けないことにあわねばならぬ自分の命などは惜しくもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人の物がほしくなるのが愛陶のこころ根であるが、当然彼の手にはいったも同様の物を、まんまと彼自身でそれの入手を反(そ)らしたことが、惜しくもあった...
室生犀星 「陶古の女人」
...惜しくも松江のような城を既に失いましたが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...いかばかり口惜しくも名残惜しけんと...
吉川英治 「新書太閤記」
...惜しくも見失ったところですよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――なぜならば、杖と刀とが、彼の頭上で、がっきと十字に噛み合ったせつな、杖(じょう)の先と武蔵の胸のあいだには、惜しくも、ほんの一寸ほどな空間を残していたからである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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