...』と情けない声で申したきり...
芥川龍之介 「竜」
...出た! タチバナ! 熱が出た! 三十九度ある」と世にも情けない声を出した...
橘外男 「葛根湯」
...変りはてた萩原さまのお心が情けない...
田中貢太郎 「円朝の牡丹燈籠」
...情けないことには器械が一つ残らずなくなってしまっていた...
永井隆 「この子を残して」
...半生涯を埋(うず)めてしまうような羽目(はめ)に陥っておしまいになったのが情けない...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとこれはあんまり情けないことではござりませぬか...
中里介山 「大菩薩峠」
...情けないことでもある...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...思ったように痩せないのが情けないと思いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...情けないわね」トクさんが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...なんという情けないことだろう...
久生十蘭 「だいこん」
...情けないことよの...
久生十蘭 「ノア」
...いきなり廃品(ローズ)になった情けない青春で...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...こんな恨み言を残していかねばならぬとは何と情けないことか...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...ひとつ情けないと思うことにぶつかると自分でも知らないうちにたちまち意地も張りもなく「心」全体がひがんでひねくれていってしまうことがしかたがなかった...
正岡容 「寄席」
...それから本職として居るといふならば誠に情けないことだと思ふ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...おまえたちにはわからねえのは情けない...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...情けないお姿になられたなあ」花和尚は涙もろい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...宋江は菊見の杯を下において――「李逵(りき)と一しょになって“大義”の何であるかも解さないとは余りに情けないことではないか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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