...心臓(しんぞう)の動悸(どうき)が息のつまるほどはげしく...
伊藤左千夫 「老獣医」
...僕の心臓はまた一段とたかく動悸をうつのであった...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...何となく心臓の動悸(どうき)も不整(ふせい)だな...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...それでは……」永島はにわかにたかまった動悸をおさえながら正造に会釈して座を立った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...新入生は胸に動悸を覚えた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...そっと胸の動悸を抑えるようにしてそのまま路次を出て来た...
近松秋江 「霜凍る宵」
...流石(さすが)に悸(ぎょ)っとしたらしかった...
徳永直 「あまり者」
...何か胸騒ぎがして人に聞えはしまいかと思うように動悸がうつ...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...胸の動悸(どうき)が感ぜられた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...胸がひどく動悸(どうき)した……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...亜字の欄(てすり)に立ちながら二人は、じっと身動きもしないでいたが、お雪の動悸が、高ぶってゆくことは眼に見えるようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「何と云ふそつくりな似方であらう!」そして彼は自分の胸の動悸を自ら聞ける程に喜んだのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...突然ぶつかったような動悸(どうき)がしたからである...
夏目漱石 「明暗」
...オオビュルナンは少し動悸がするように感じて...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...太一郎や堀口が何か七郎に向つて悸すやうなことを云ひに来たので――といふやうなことを苦笑を浮べて八重が云つた...
牧野信一 「南風譜」
...奇怪なことを銀杏の樹蔭からいいかけられて立ちすくんだうら若い女形――胸の動悸(どうき)をしずめようと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...薄い西日を前にして大浪を打つ動悸(どうき)と呼吸の嵐の中にあらゆる意識力がバラバラになって...
夢野久作 「木魂」
...一種の功名心に燃ゆる動悸(どうき)さえうった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索