...もし万一母を失うようなことがあったらどうしようと思うとおぬいはいつでも動悸(どうき)がとまるほどに途方に暮れるのだが...
有島武郎 「星座」
...動悸(どうき)を圧(おさ)え...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...心臓(しんぞう)の動悸(どうき)が息のつまるほどはげしく...
伊藤左千夫 「老獣医」
...妾の心臓は俄かに激しい動悸(どうき)に襲われたのであった...
海野十三 「三人の双生児」
...それでは……」永島はにわかにたかまった動悸をおさえながら正造に会釈して座を立った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...サウルは騒ぎたつ胸の動悸(どうき)を押えながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...胸は悸々(どきどき)するし必死の場合となった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...一時悸(ぎょっ)として市五郎は...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ動悸がおさまらず蒼ざめた顏をしてはゐたが...
中島敦 「名人傳」
...急に動悸(どうき)がして足がふらふらします……」「ふふん」と独仙君が鼻で笑った...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...動悸(どうき)がひどくなりますので」兵左衞門はさう言つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...軽い動悸(どうき)さえ打っている...
火野葦平 「花と龍」
...同時に恐しさの動悸(どうき)がそれをかき擾(みだ)す...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...父親の怖ろしい顔に悸(ふる)へながら...
牧野信一 「環魚洞風景」
...それには心と心の動悸がきこえ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...たちまちハッと小圓太はまごついてしきりに動悸を早くさせながら世にもオズオズしたかっこうで...
正岡容 「小説 圓朝」
...動悸のはずみを、じっと抑えた...
矢田津世子 「凍雲」
...少年の動悸(ときめき)に似たものが...
吉川英治 「松のや露八」
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