...3病人が苦しみ悶えてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...散々非道(ひど)い目にあって悶え苦しんだ揚句が神経衰弱...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...煩ひと悶えの胸の主人(あるじ)なり...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...血が溢れ出はしまいかと思はれる程動悸を打つて悶えるのが外からあり/\見えた...
千家元麿 「自分は見た」
...春三郎は病人の絶ゆる間の無い阿鼻叫喚の聲に自分も身を切られるやうに悶えた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...気が狂ったのかとおもわれるような号泣(ごうきゅう)のうちに激しく身悶えていたという...
高見順 「如何なる星の下に」
...ひとりで身悶えするのですが...
太宰治 「風の便り」
...成は牀(ねだい)の上に身を悶えて...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「促織」
...今は盛(さかん)に私をして嫉妬の焔に悶えしめたのであった...
近松秋江 「雪の日」
...アア オ母サン オ父サン 早ク夜ガアケナイノカシラ窪地で死悶えてゐた女学生の祈りが僕に戻つてくる...
原民喜 「鎮魂歌」
...アア オ母サン オ父サン 早ク夜ガアケナイノカシラ窪地で死悶えていた女学生の祈りが僕に戻ってくる...
原民喜 「鎮魂歌」
...だからどうにかしなければならぬと云う悶えも胸を去らなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...この思いをあちらまで運ぶ通力に何故ならぬかと身悶えした...
本庄陸男 「石狩川」
...上体を激しく身悶えるので...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...あきらめてゆかねばならない女心の悶えというものを...
宮本百合子 「新しい船出」
...自分の悶えを皮相的利己主義だと片づけて云われているのを洩れ聞くところから...
宮本百合子 「雨の昼」
...わしが、わるいといっているのに」父の悶(もだ)え、母の悶え、血のつながりは、それが直(ただ)ちに、子の泣き悶えともなるものか...
吉川英治 「大岡越前」
...何処へ運んで行ってくれるのか」何の悶えも疑いも抱こうとしても抱かれない...
吉川英治 「黒田如水」
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