...以て僅に悶々の情を排せしを語れば足る...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...オユルシ下サイ 五日正午緑雨の失意の悶々(もんもん)がこの冷静を粧(よそお)った手紙の文面にもありあり現われておる...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...何十年来シベリヤの空を睨(にら)んで悶々(もんもん)鬱勃(うつぼつ)した磊塊(らいかい)を小説に托して洩らそうとはしないで...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...顔をゆがめ転げまわって悶々とするそうだ...
海野十三 「火星探険」
...このただごとならぬ悶々の情...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...悶々(もんもん)たる人間の利己主義を脱して...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...俗人察々トシテ我獨リ悶々タリ...
中島敦 「かめれおん日記」
...だが若き日に恋のないといふことは何たる悲惨な光景だらう……そんなことで彼は悶々と暑い日を書斎に寝そべつて打ち過した...
牧野信一 「渚」
...悶々たる時のごまかしにはなりませうがね...
牧野信一 「武者窓日記」
...即ち作者は圓朝若き日のそが悶々の姿をば...
正岡容 「小説 圓朝」
...氣が悶々してならぬ...
三島霜川 「解剖室」
...お聞きもいただきたいと存じながら果たしえませんことで悶々(もんもん)としておりました」「あなたの不幸だったころの世の中はまあどうだったろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ジャックの心中は甚だ悶々たるものであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...寝食も忘れて懊悩(おうのう)悶々(もんもん)と案じ煩(わずら)っていた...
吉川英治 「三国志」
...悶々(もんもん)と一時剣をおさめた...
吉川英治 「三国志」
...独り悶々(もんもん)と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...熱病のように悶々としていた私は...
吉川英治 「親鸞」
...苦手なものはねえ)悶々(もんもん)として...
吉川英治 「無宿人国記」
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