...是に於て彼悵然として兼平に云つて曰「首を敵の為に得らるゝこと...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...悵(ちやう)たる征驂(せいさん)をとゞめて遊子天地に俯仰(ふぎやう)すれば...
石川啄木 「閑天地」
...書して茲(ここ)に至り吾人は実に悵然(ちやうぜん)として転(うた)た大息を禁ずる能はざる者に候...
石川啄木 「渋民村より」
...自分は悵然(ちょうぜん)として産土の前に立ちどまった...
伊藤左千夫 「落穂」
...お光は終日(ひねもす)悵然(ちょうぜん)として居る...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...「惆悵(ちゅうちょう)す東欄一樹の雪...
永井荷風 「十九の秋」
...惆悵(ちゅうちょう)として盃(さかずき)を傾くる事二度(ふたた)び三度(みた)び...
永井荷風 「妾宅」
...胸中売宅の事を悔ひ悵然として眠ること能はず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...わたしは富士の眺望よりしてたまたま蘇山人が留別の一句を想い惆悵(ちゅうちょう)としてその人を憶(おも)うて止(や)まない...
永井荷風 「日和下駄」
...そして悵然(ちょうぜん)として江戸徃昔(おうせき)の文化を追慕し...
永井荷風 「向嶋」
...悵然(ちょうぜん)として行く末とこし方をながめて立ち...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は浩さんの事を思い出して悵然(ちょうぜん)と草履(ぞうり)と靴の影を見送った...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...而かも人をして徒らに惆悵自失に終らしむることなく...
原勝郎 「貢院の春」
...他人のこれに死するものあるを見れば慷慨惆悵(こうがいちゅうちょう)自(おのず)から禁ずる能(あた)わず...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...再罹災した往事を顧みて太だ悵然たらざるを得ない...
正岡容 「浅草燈籠」
...悵怏として悲しむ漣である...
横光利一 「欧洲紀行」
...悵然(ちょうぜん)と泣いた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その悄悵(しょうちょう)として...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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