...この小説には、悲劇的な恋愛によって愛する人を追い求め、悲運の末に彼女の前に重出する男性が登場する...
...西風落日の悲運に臨めるを感ぜざる能はざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...悲運つづきのその商賣を一緒になつて盛り返して呉れと云ふのであつたさうだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...また同じ悲運に追いこまれているのだ...
海野十三 「怪星ガン」
...夫にとっては悲運とでも申しましょうか...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...今後百貨店のおこぼれを頂戴する悲運に陥らぬとも限らぬ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...狸の悲運は決定せられた...
太宰治 「お伽草紙」
...いちにち/\と悲運におなりなされましたのは...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...そうしてかわいいわが子を折檻(せっかん)しなければならないわが身の悲運を客観するときにはじめて泣くことができるらしい...
寺田寅彦 「自由画稿」
...一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サントナリ俗客ノ纏頭ニ依ツテ活ヲ窃ムガ如キモノハ殆一人モ有ルコトナカリキ...
永井荷風 「申訳」
...既に伯林(ベルリン)の悲運の萌(きざ)しが見えていたのである...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...悲運(ひうん)な者(もの)にめぐつてくる時(とき)ならぬ福運(ふくうん)...
南部修太郎 「夢」
...彼女の美貌(びぼう)が彼女を悲運におとしたのである...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...バビロン捕囚といふ悲運の中からかかる希望の声を挙げた人...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...その後二百年を経て果して亡国の悲運に陥り...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...一年足らずでとうとう閉館の悲運に接したわけだが...
山本笑月 「明治世相百話」
...悲運に終る子鳥もある...
吉川英治 「剣の四君子」
...君の悲運をよそにながめておられようか」張遼は石を指して...
吉川英治 「三国志」
...かかる悲運に立ち至ろうとはです」小次郎は耳を紅くしているかと思われるような語気で演舌するのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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