...この小説には、悲劇的な恋愛によって愛する人を追い求め、悲運の末に彼女の前に重出する男性が登場する...
...西風落日の悲運に臨めるを感ぜざる能はざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...久しく予期せられたる没落の悲運に遭遇したり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...しかるに我々の日常の経験するところから見るとこの現世界はまだこの悲運に出会っていない...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...否! 否!岩の悲運三吉の頭のところに最初...
海野十三 「地中魔」
...この損が酷(ひど)いとついに破産という様な悲運に陥るのである...
大隈重信 「我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか」
...この浅草の古い席も時代の波に押されて同じ悲運に際会したのかと思へば...
武田麟太郎 「落語家たち」
...かえって我々自身の方が敵の求むる好餌たるの悲運に...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...関白殿が此のような悲運にお遇いなされるのも治部殿が讒言(ざんげん)をなされたからじゃと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そうしてかわいいわが子を折檻(せっかん)しなければならないわが身の悲運を客観するときにはじめて泣くことができるらしい...
寺田寅彦 「自由画稿」
... 5ピグマイオイの族人に悲運と死とを齎して...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...暗き死と凄き悲運はおほひ去る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それやこれやの手違いより俄(にわか)に莫大(ばくだい)の損失を引起し家倉を人手に渡すも今日(きょう)か明日(あす)かという悲運に立至った...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サントナリ俗客ノ纏頭ニ依ツテ活ヲ窃ムガ如キモノハ殆一人モ有ルコトナカリキ...
永井荷風 「申訳」
...既に伯林(ベルリン)の悲運の萌(きざ)しが見えていたのである...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...原級生の悲運だつた...
牧野信一 「貧しき文学的経験(文壇へ出るまで)」
...こんな精神的悲運の連続だったから私に二千円の身代金のオイソレとできようわけもなく私はひたすら日夜を焦燥悶々し続けてばかりいた...
正岡容 「わが寄席青春録」
...その後二百年を経て果して亡国の悲運に陥り...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...けれどもそれ以上にはべつにその悲運にうたれた風もなく...
山本周五郎 「新潮記」
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