...突当りの砲兵工廠(ぞうへい)の夜の光景は、楽天的に視(ながめ)ると、向島の花盛を幻燈で中空へ顕わしたようで、轟々(ごうごう)と轟(とどろ)く響が、吾妻橋を渡る車かと聞なさるるが、悲観すると、煙が黄に、炎が黒い...
泉鏡花 「婦系図」
...却つて悲観する惧れがあると思つて居つたのであります...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...また悲観することも知らず...
海野十三 「宇宙戦隊」
...おそろしい目にあうものだ」「……そう悲観することはない...
海野十三 「怪星ガン」
...悲観する必要もない...
大隈重信 「我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか」
...僕は悲観するどころではない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「自分かて何も悲観することない」いう自信ついて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...「ちょっとも悲観することない...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...さてと私もすこし悲観する...
種田山頭火 「其中日記」
...渋柿)*日本は地震国だと言って悲観する人もある...
寺田寅彦 「柿の種」
...「御承知の如き小心者故」悲観するといけないから...
豊島与志雄 「反抗」
...悲観する余地がなかつた...
夏目漱石 「それから」
...「君などは悲観する必要がないから結構だ」と...
夏目漱石 「野分」
...病気のせいでそう悲観するんだ」「悲観するって希望のないものは悲観するのは当り前だ...
夏目漱石 「野分」
...またその現在を悲観するでもなし...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...『悲観することあねえぞ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...あえて悲観するには及ばぬ...
牧野富太郎 「植物知識」
...老ゆればとて黒田宗円、やわか、この家門の滅亡を坐して視(み)るべき」と、二十年前の壮気を身に呼び回(かえ)して、悲報(ひほう)に沈む家中の者を、巌のごとく睨(ね)めまわして、騒ぐな、うろたえるな、悲観するな、姫路にはなおわしがいるぞと、朝に夕に力づけていたのだった...
吉川英治 「黒田如水」
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