...母の死をあわれむとも悲しむとも知れない涙を目にはたたえながら...
有島武郎 「或る女」
...この理想喪失(そうしつ)の悲しむべき状態をきわめて明瞭に語っている...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...父親はどんなに悲しむか知れない...
海野十三 「火星兵団」
...(帽子箱の悲しむべき話はこゝで終る...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...あゝこの一瞬!自分はこの沈黙の一座の中に明かに恐るべく忌(い)むべく悲しむべき一種の暗潮の極めて急速に走りつゝあるのを感じたのである...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...悲しむべきなり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...悲しむべきは何につけても勇気の失(う)せ行く老境である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...われの悲しむは過ぎ行く今年の春の為めではない...
永井荷風 「花より雨に」
...今の文壇は悲しむべき状況の下に呻吟(しんぎん)しているんではなかろうかと考えて茫乎(ぼんやり)した...
夏目漱石 「それから」
...*208悲しむな...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...グレゴールはその現在の悲しむべき...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...この部屋の状態を悲しむ気持からだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...悲しむべき病痾に沈湎せられて皇業を維持されることが不可能となり...
久生十蘭 「泡沫の記」
...彼を見て悲しむ者もいた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...悲しむべき不注意である...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...はかない恋であると消極的に悲しむ人は藤壺の宮であって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の悲しみと同時に恋人の悲しむのを見るのは堪えがたい気のする督であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女学子若し今にして警醒せずんば天下を率ひて清談風話に溺(おぼ)らしむる者は女学子其一部の責に任ぜざるを得ず予は実に女学子を以て此傾向の代表者として一矢(いつし)を向けざるを得ざるを悲しむ...
山路愛山 「凡神的唯心的傾向に就て」
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