...真面目に内田百間氏の詩的天才を信ずるが為に特にこの悪文を草するものなり...
芥川龍之介 「内田百間氏」
...それは恐るべき悪文だった...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...ゆえに教派的の嫌悪文字的の貶評は彼の辞せざるところなりもしこの「狷介奇僻」の著にしてなお同胞を慰むるの具たるを得ば著者は感謝して止まざるなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ご自分の曾(か)つて読んだ悪文学から教えられた言葉でもって...
太宰治 「鴎」
...少なくとも悪文でなしに...
戸坂潤 「読書法」
...すべて名文というものは、なだらかで滑っこく、手の捉まりどころもなく、足の踏みしめどころもないが、悪文となれば、至る所に瓦礫があり刺があり凸凹があり、ひっかかるとこばかりで、読書慾を充分に満足させるのである...
豊島与志雄 「憑きもの」
...これはして見ると残念ながら悪文の適例である...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...唖々子の眼より見て当時の文壇第一の悪文家は国木田独歩(くにきだどっぽ)であった...
永井荷風 「十日の菊」
...わたくしが中年のころにつくった対話「昼すぎ」漫筆「妾宅(しょうたく)」小説「見果てぬ夢」の如き悪文を一読せられたなら思い半(なかば)に過るものがあろう...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...悪文で楽しめない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...悪文、拙文は我々の間では学者にとって当然なことであると思われている...
三木清 「軽蔑された飜訳」
...悪文であるということを同時代人からひどく云われたし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...現代の脱線的な邪悪文化に一大転期を劃さずにはおられないであろうことを...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...散文が既に悪文であるのに...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
...生来悪文の質(たち)ですから...
吉川英治 「三国志」
...悪文炳のことはみな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...浮浪人の運びこんだ悪文化に風靡(ふうび)されて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...とにかく古来の学者の内にこの物語を悪文だと言った人があることを知るのは自分にとって心強い...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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